「BTSの舞台」光化門に外国人観光客、月100万人

ソウル・光化門で7年にわたり牛肉料理店「起承転牛」を営むキム・ミョンジン代表(41)は最近、毎朝英語学校に通っている。外国人客がこのところ急増しているためだ。キム代表は「最近は周辺のバーも外国人客でにぎわっている」「初心者クラスの英語授業でも受けてみると、肉の説明をするのに怖さがなくなった」と話した。京畿道の高陽総合運動場でKポップコンサートが開かれるとなると、海外からの観光客は光化門に宿を取り、3~4日前から近くの観光地や飲食店を訪れるという。距離は約30キロあるが、ソウル・京畿道のほぼ全域につながる地下鉄・バスの公共交通網の中心に位置しているためだ。

【写真】韓国で活動するハンガリー出身のファッションモデル、サボ・ガブリエラ・マリア(26)が光化門広場、大韓民国歴史博物館の屋上庭園、清渓川を訪れている様子

今年3月のBTS光化門公演から6カ月余りが過ぎた現在、光化門が韓国の文化・観光の中心地として注目されている。海外メディアは光化門を「BTSの韓国的アイデンティティーを記念する空間」(ニューヨーク・タイムズ)、「韓国首都の歴史的中心部」(BBC)、「韓国を代表するランドマークであり、王室の遺産と政治・文化的生活を象徴する場所」(AP通信)と評している。当時、ネットフリックスのライブ配信開始から24時間で、世界の1840万人が公演を視聴した。以降、Kカルチャーの象徴的な場所となった光化門には、外国人や企業を問わず人々が訪れている。

◇光化門を訪れる外国人、30%増

光化門の外国人観光客数は過去最大水準だ。ソウル市が移動通信ビッグデータに基づき世宗大路一帯の外国人観光客数を調査したところ、3~8月に562万人が訪れたことが分かった。前年同期(431万人)比で30.4%増えた。特に8月だけで104万人が訪れた。

これはソウル全体の観光客増加率を約8ポイント上回る。文化体育観光部の推計によると、3~8月にソウルを訪れた外国人観光客は949万人で、前年同期(778万人)比22%増だった。韓国を訪れる観光客が全体的に増える中、光化門を訪れて滞在する人がさらに増えたということだ。光化門を出発し、明洞・仁寺洞などを巡る2階建て観光バス「ソウルシティーツアーバス」の乗客も、昨年より20%以上増えたという。

◇日の出から日没まで光化門を楽しむ

最近、光化門で会ったブラジル人観光客のベアトリス・サントスさん(31)は「BTSが駆け回ったステージがまさにここ」「今回のソウル旅行で最も感動的な瞬間」と語った。サントスさんは旅行プラットフォーム「トリップアドバイザー」で「BTSツアー」商品を利用している。ハイブ本社などを訪れる旅行商品で、光化門は決して外せない聖地だ。海外の有名旅行プラットフォームでも「ARMYが必ず行くべきBTSの歴史的公演場所」と紹介されている。

韓国で活動するハンガリー出身のファッションモデル、サボー・ガブリエラ・マリアさん(26)にとって、光化門は遊び場だ。マリアさんは「景福宮と北村韓屋村だけを回るのは初心者」とし、最近の外国人の一日を説明してくれた。午前中は光化門近くのカフェ、国立現代美術館やソウル工芸博物館を巡る。午後には光化門広場を散策し、路地裏の小さな店を訪ねる。夕方近くになると、コーヒーを片手に大韓民国歴史博物館の屋上庭園に上る。「ここから眺める広場や景福宮、仁王山など光化門一帯の風景は息をのむほど美しいです」。日が暮れるころには清渓川を歩き、本も読む。マリアさんは夕食に近くの食堂で羅州コムタンを食べるのが好きだと話した。最近は早朝にコーヒーやお茶を飲みながら踊る「モーニングレイブ」を楽しむ外国人も多い。

◇飲食店には「外国人が会社員並みに多い」

光化門近くの飲食店「光化門クッパ」は先月、開業以来初めて多言語QRメニューを用意した。英語・中国語・スペイン語・ドイツ語・イタリア語など計15言語でメニューを見られるようにした。光化門クッパの関係者は「これまで来店した外国人客の国籍を思い浮かべながら多言語メニューを作った」「今後、対応言語はさらに多様になるだろう」と話した。過去に狎鴎亭で営業し、最近光化門で再オープンした伝統酒専門店「ペッコム・マッコリ」は、外国人観光客を明確に狙った店だ。同店のイ・スンフン代表(50)は「観光客が関心を持ちそうな伝統酒を約180種類そろえた」と話した。イ代表は「以前出していたイカ海鮮チヂミも、観光客の好みや視点に合わせ、チキンのような印象の『鶏もも肉チヂミ』にメニューを変えた」「『骨董ビビン麺』はビーガン料理を探す外国人客も多いことから、作ったメニューだ」と語った。

今年7月に光化門で開店した肉料理店「結局豚」のキム・ユンフ代表(41)は、釜山(プサン)で繁盛していた店を手放してソウルに来た。光化門の外国人観光客の波を見て「ここだ」と思ったという。外国語に堪能な従業員だけを採用した。客からは「サムの包み方」に関する質問が最も多いという。店舗ごとに外国語の案内文があちこちに貼られている世宗大路一帯のオリーブヤング4店でも、外国人向け売り上げが前年より70%増えた。

◇今や光化門は経由地ではなく目的地

専門家は、光化門がもともと持つ芸術・歴史・商業インフラ、ソウル各地へ移動できる公共交通の中核拠点といった伝統的なハードウエアに、Kポップの若く躍動感あるイメージがソフトウエアのように重なったためだと分析する。漢陽大観光学部のチョン・ランス兼任教授は「かつて光化門は近隣の大型観光地へ行くために通過する経由地だったが、今ではKカルチャーファンの目的地になった」「以前より光化門観光客の滞在時間が増えたことがデータで確認されている」と述べた。ここを訪れた外国人は光化門の魅力について「首を向けるたびに、山と宮殿、大都市のビル群、大型画面いっぱいのKポップスターの姿が一つの場所に集まっている」「こうした多様な魅力に一カ所で出会える場所は光化門しかない」と口をそろえる。

1日、スポーツ飲料メーカーのレッドブルがコリアナホテルと東亜メディアセンターで開いたエクストリームスポーツ「スラックライン」(綱渡り)のイベントにも2万人が集まった。世宗文化会館では、ナイキ、ネットフリックス、ディズニー、マクドナルドなどグローバルブランドによる場所協賛が増え、最近2年で協賛収入が8倍に増えた。今年の光化門では、ユ・ヨングク、イ・デウォン、ソ・ドホら韓国の巨匠だけでなく、ダミアン・ハーストやゲオルク・バゼリッツといった海外の巨匠の展示も集中するなど、文化コンテンツの水準も以前より高まった。光化門広場では、民間企業や自治体などによる多様なポップアップストアも継続的に開かれている。

コリアナホテル外壁の電光掲示板には、BTS以降、ストレイキッズなどKポップの次世代スターの広告が相次いでいる。かつてKポップファンはアーティストの誕生日広告を主に地下鉄に出していたが、今年4月、8月などにはSMエンターテインメントの練習生グループSMTR25の海外ファンが、コリアナホテルの電光掲示板にメンバーの広告を掲出した。Kビジョンの関係者は「BTS以降、ここに広告が出るということは、Kカルチャーをけん引するアーティストになるという意味だ」「Kポップだけでなく、20~30代の若者層を狙う大型プロジェクトの問い合わせも続いている」と話した。

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