EA、約7兆5000億円での買収に合意間近か 過去最大規模の取引で非公開化、サウジアラビア政府系ファンドも参加との報道
EAが、500億ドル(約7兆5000億円)で株式非公開化に合意するとの報道があった。成立すれば、史上最大規模のレバレッジド・バイアウト(買収資金の大部分を借入で賄う企業買収)となる可能性がある。
この取引が正式なものになった場合、早ければ月曜にも発表されると思われる。Wall Street Journalの記事が公開される以前、EAの時価総額は約430億ドル(約6兆4200億円)だったが、非公開化の動きが最初に報じられて以来、約15%増の約480億ドル(約7兆1800億円)となった。
EAの上場を廃止する500億ドルの取引は、2007年にテキサス州の電力会社TXUを買収した際の318億ドルよりも約180億ドル高額だ。EAの取引が成立すれば、史上最大規模のレバレッジド・バイアウト(インフレ調整なし)となる可能性が高い。
PIFが買収へ関与するとすれば、サウジアラビアはゲーム業界における深い基盤をさらに強固なものにすることになるだろう。PIFは現時点でEAの株式を10%保有しており、2022年には任天堂の株式の5.01%を保有し、大株主となった。『Pokémon GO』を開発するナイアンティックも今年、ゲーム事業をSavvy Games GroupおよびPIF傘下のモバイルゲームメーカーであるScopelyに売却している。
また、ユービーアイソフトは今年8月、『アサシン クリード ミラージュ』のDLCでサウジアラビアを舞台にしたことで反発を受けた。このDLCが発表される前に、フランスのメディアLes EchosがユービーアイソフトとPIFとの取引に関する詳細を報じていたのだ。GameFileによれば、ユービーアイソフトの従業員もまた、物議を醸す組織とのパートナーシップに対して懸念を抱いているという。
一方Silver Lakeは、ゲームエンジンテクノロジー企業であるUnityの株式を一部保有している。EAとの取引が成立した場合、EAの非公開化に伴って、PIF、Affinity、Silver Lakeが新たな株主となる。
EAは最近、『EA SPORTS FC 26』や『EA SPORTS Madden NFL 26』といった「EA Sports」のタイトルや、『skate.』などをリリースしている。EA傘下の開発スタジオDICEは来月に『Battlefield 6』の発売を予定しており、同シリーズにとっても販売元のEAにとっても特に重要な瞬間となりそうだ。
IGNはEAにコメントを求めている。