“ぬいぐるみ”が助っ人。外来種の危険生物をおびき寄せる仕掛けとは?
ウサギ版ターミネーター出動!
どこの国でも野生動物たちによる獣害があるでしょうけども、フロリダ州はデッカいアリゲーターで有名。ですが同州の南部では巨大ビルマニシキヘビも悩みのタネなんです。東南アジアからの外来種で繁殖しており、現地の水鳥やアライグマやキツネといった在来種をエサにするので生態系を脅かしているんですって。
ロボウサを囮にヘビを捕まえよう
Image: Smithsonian Magazineハンターたちに賞金を出すなどいろんな駆除対策が行われましたが、最新の打開策はロボット・ウサギ。
ヘビの好物がヒメヌマチウサギなのですが、本物だと飼育が大変だし食べられたら可哀想。そこで南フロリダ水管理局の資金提供でフロリダ大学が協力し、ハイテクなロボウサが作られました。
ウサギの皮を被ったハイテクメカ
ロボウサは街中から40体のウサギ型オモチャが集められ、科学者たちはせっせと魔改造をしました。本物のウサギ臭がするようになっており、太陽光発電でモーターが動きます。また本物と同じ体温になるよう、発熱する装置を内蔵。
Image: Smithsonian Magazine防水加工も施されたロボウサは遠隔でオン/オフ操作ができ、小型カメラが動体検知でヘビの襲来を通知する仕組みも。見つけたら業者に連絡し、一狩りしてもられば人件費も労力も最低限で済むのです。
Rabbits vs. Pythons? It’s not what you think…@SFWMD scientists are battling invasive pythons using robotic rabbits.These decoys may look cute, but they’re packing serious tech, emitting heat & scents that lure pythons in the #Everglades.https://t.co/I4mqXAZQlZpic.twitter.com/MhKU2MBdHi
— South Florida Water Management District (@SFWMD) July 22, 2025
ニシキヘビはどこから来た?
原産は東南アジアなのに、なぜフロリダ? 理由は1990年代~2000年代の10数年間でペットとして持ち込まれたのが発端。だけど逃げ出したり飼い主が野に放ったりして、近年で激増したのだそうです。外来種が増えるのはどこでも同じ経緯ですよね。
2019年以降で駆除したヘビは、なんと1万6000匹ほど。どれだけ増えたのかが分かります。
そして南フロリダのエバーグレーズ国立公園では、ヒメヌマチウサギの死因の77%がこのニシキヘビ。完全に味を覚えちゃってるんですね。
がんばれロボウサ軍団
地元の専門家は、完全な駆除は不可能と見ています。だけど確実に1匹ずつ仕留めていけばいつかは?
ウサギの皮を被ったハイテクメカなら、襲われても可哀想ではない…かもしれません。だけどもしヘビに壊されたら「せっかく作ったのにもったいない」が先に来ちゃいそうですね。
Source: X, Faebook, South Florida Water Management District, Smithsonian Magazine, The Palm Beach Post via Boing BoingReference: Wikipedia