政党のYouTube再生回数は自民が1位、広告配信も影響か コメント数は参政がリード

参院選(7月20日投開票)で、各政党はインターネット動画による情報発信にも注力している。産経新聞では、動画投稿サイト「YouTube」での各政党の公式チャンネルについて、6月以降に投稿された動画を分析した。その結果、再生回数は自民党が最も多かったが、否定的なコメントも多くみられた。コメント数は参政党が最も多かった。

YouTubeのデータが取得できるシステム「YouTube Data API」を用いて、6月1日から7月16日午後6時までに投稿された動画の再生回数と、寄せられたコメントの数や内容を調べた。コメントの内容は、AIモデルを用いてポジティブ、ネガティブの感情分析を行った。みんなでつくる党は期間中に動画投稿がなかった。

石破首相の動画を広告配信

YouTubeの政党公式チャンネルで再生回数が最も多かったのは自民だ。石破茂首相(自民総裁)の写真を使い「スピーディーな物価高対策」などと政策を伝える動画は800万回以上再生されている。自民の動画は7月8日から再生数が急激に増えた。

自民は石破首相が登場する動画を広告配信しており、それによって再生回数も増加しているとみられる。ほかにも立憲民主党は7日から、公明党は11日から再生回数が急増しており、広告配信が影響している可能性がある。

参政の動画には平均330件のコメント

コメント数が最も多かったのは参政で、約7万件が寄せられた。動画1本あたり平均約330件に上る。AIによる分析では、7万件のうち4万6000件はポジティブな内容だった。

自民は最近、コメント欄を閉鎖していたことが分かった。再生回数が最も多い動画は7月7日に公開され、一時1660件のコメントが付いていた。しかし16日の時点では、公示後に公開された全ての動画でコメント機能が停止されていた。

自民は、公示前に公開した動画については、コメント欄を公開している。ただ、6月以降で確認できるコメントは68%が否定的な内容で、コメント機能の停止の一因になった可能性がある。

各党コメント分析 「カルト」「黒幕」など様々

自民に次いで改選前議席の多い立民も、確認できるコメントは否定的な内容が54%と半数を超えていた。立民も一部の動画でコメント欄を閉じている。(データアナリスト 西山諒)

YouTubeの再生回数とコメントは、「YouTube Data API」を用いて7月16日午後6時に収集した。感情分析は、コメントと、それに対する返信のうち上位5件までを対象としており、全量ではない。分析には、AIモデルのプログラム共有サイト、米「Hugging Face」(ハギングフェイス)で公開されている「japanese-sentiment-analysis」を用いた。技術的制約により、長文のコメントに関しては、文頭から512トークン(約250〜350文字)までの部分を使って感情判定をしている。

YouTube検索は参政1位 地域傾向も可視化

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