F1マイアミGP、「異例のトラリミ誤審」でスプリント予選結果が変動…アルボン降格、FIA批判ローソンは昇格

アレックス・アルボン(ウィリアムズ)が、2026年F1第4戦マイアミGPのスプリント予選を経て、実質的な5グリッド降格処分を受けた。予選セッション中に処理すべきだったトラックリミット違反をFIAが見逃したことが原因だ。

アルボンはマイアミ・インターナショナル・オートドロームで行われたスプリント予選でSQ2に進出し、チームメイトであるカルロス・サインツを上回って14番グリッドを獲得していた。

だが、SQ2の全タイムとSQ1の最速ラップが抹消されたため、19番手からのスタートが命じられた。

SQ1におけるアルボンのトラックリミット違反は、本来であれば即座にラップタイム抹消の対象となるべきものだった。だがレースコントロールは当初、これを問題視していなかった。

トラックリミットの疑いがあるとレースコントロールが報告を上げたのは、SQ2がスタートした後だった。その後アルボンはスチュワードに召喚され、予選終了から数時間後、違反を認定する裁定が下された。

スチュワードは、アルボンがターン6でトラックリミットを超えていたのは「明白」であるとしたうえで、見逃しの経緯をこう説明した。

「この件がスチュワードに報告されたのはSQ2が始まった後だった。当該ラップが対象となり得ると報告を受けた時点で、23号車(アルボン)はすでにSQ2でコース上を走行していた」

スチュワードはこれを「異例の事態」と指摘し、FIA国際競技規則(ISC)第11条7項1号aに基づく権限を行使する形で処理した。

具体的には、SQ1の当該ラップタイムだけでなく、アルボンがSQ2で記録した全てのラップタイムを抹消した。

ローソン待機に見る混乱の実態

この一件は、スプリント予選中に発生した「奇妙な待機事件」の謎を解き明かすことにもなった。

SQ1で敗退したにもかかわらず、リアム・ローソン(レーシング・ブルズ)はSQ2になってもクルマから降りようとしなかった。

当時はその理由が不明瞭であったが、その背景には、レーシング・ブルズがアルボンの違反に気づき、彼の最速ラップが抹消されると見越していた事があった。本来SQ2に進出すべきはローソンだった。

ローソンはセッション後、「正直、どうしてこんなことが起こり得るのか理解できない」と語り、アルボンのトラックリミットを巡るFIAの判断を批判していた。

レーシング・ブルズの目論見は外れ、ローソンはピットレーンから一歩も出ることなくSQ2を終えた。だが今回の事後的な処分により、ローソンは1グリッド上昇し、16番手から土曜のスプリントレースをスタートする事となった。

スチュワードは今回のケースを「異例」を評したが、FIAがトラックリミットを見逃した事により、本来であれば上位のセッションに進出すべきドライバーが、不当にも下位セッションで敗退したという事態には複数の前例がある。

昨年のバーレーンGPでは、ニコ・ヒュルケンベルグの違反が同様に見逃された。皮肉なことに、これによりQ1での敗退を強いられたのが、今回タイム抹消の対象となったアルボンだった。

さらに遡れば、2022年オーストリアGPでも同様の事案が発生している。この時はセルジオ・ペレスが実質的な9グリッド降格処分を受け、本来Q3に出走すべきピエール・ガスリーはQ2でセッションを終えた。

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps 1 1 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:28.723 1:29.366 1:27.869 15 2 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス 1:29.312 1:29.209 1:28.091 14 3 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1:29.169 1:28.506 1:28.108 11 4 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:28.733 1:28.333 1:28.239 15 5 3 マックス・フェルスタッペン レッドブル 1:29.801 1:29.093 1:28.461 12 6 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:29.659 1:28.903 1:28.493 15 7 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ 1:29.255 1:28.841 1:28.618 15 8 43 フランコ・コラピント アルピーヌ・メルセデス 1:30.386 1:29.527 1:29.320 15 9 6 アイザック・ハジャー レッドブル 1:30.352 1:29.750 1:29.422 15 10 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・メルセデス 1:29.984 1:29.973 1:29.474 15 11 5 ガブリエル・ボルトレート アウディ 1:30.561 1:29.994 12 12 27 ニコ・ヒュルケンベルグ アウディ 1:30.270 1:30.019 12 13 87 オリバー・ベアマン ハース・フェラーリ 1:30.614 1:30.116 9 14 55 カルロス・サインツ ウィリアムズ・メルセデス 1:30.987 1:30.224 12 15 41 アーヴィッド・リンブラッド レーシングブルズ・RBPT 1:30.872 1:30.573 9 16 30 リアム・ローソン レーシングブルズ・RBPT 1:31.043 5 17 31 エステバン・オコン ハース・フェラーリ 1:31.245 6 18 11 セルジオ・ペレス キャデラック・フェラーリ 1:31.255 3 19 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:31.322 6 20 77 バルテリ・ボッタス キャデラック・フェラーリ 1:31.826 6 NC 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーティン・ホンダ 1:41.311 6

2026年F1マイアミGPのスプリント予選では、ランド・ノリス(マクラーレン)がアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)を抑えてポールポジションを獲得した。

スプリントは日本時間5月2日(土)25時から、公式予選は同29時から1時間に渡ってマイアミ・インターナショナル・オートドロームで開催される。セッションの模様はフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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