「elementary OS」はなぜ最高のディストロなのか--「Linux」ベテラン記者が断言する理由 - (page 2)
Jack Wallen (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部
2025-09-29 07:00
Linuxの世界では、一貫性という要素は見落とされがちである。elementary OSの進化の歴史を振り返ってみると、初期の頃から見た目がほとんど変わっていないことに気づくだろう。メジャーアップデートがリリースされても、elementary OSのルック&フィールは常に一貫性を保っている。これはユーザーにとって安心できる要素であり、今後も、劇的かつ根本的な変化が施されることは、おそらくないだろう。
これは重要なポイントだ。他のLinuxディストリビューションには、常に変化しているものや、複数のデスクトップ環境を提供するものもある。初心者がそれらのディストリビューションを見たら、混乱するか、あるいは敬遠してしまうかもしれない。elementary OSには、常に同じものが提供されるという安心感がある。このOSを使い続けるユーザーが多いのは、こうした一貫性があるからだ。
率直に言って、新しいユーザーが特定のLinuxディストリビューションに関心を持つ理由の1つは、採用されているデスクトップである。Ubuntuを選ぶのは、Canonicalが独自のカスタマイズを施したGNOMEが気に入っているからだろう。Fedora KDEを選ぶのは、Plasmaが素晴らしいからだろう。elementary OSに魅力を感じるのは、Pantheonがあるからだ。
それを考えると、ディストリビューションはデスクトップに大幅な変更を加えない方がいいのではないだろうか。elementary OSの開発元はこの点を理解している。デスクトップの一貫性を維持する上で、大規模な変更を施さないことは非常に重要である。先ほども述べたように、ユーザーは一貫性を好むのだ。
それはなぜか。ほとんどの人は変化を恐れるからだ。「GNOME 2」から「GNOME 3」(GNOME Shellとも呼ばれる)に移行したとき、GNOMEのチームがどんな目に遭ったか思い出してほしい。ユーザーの反発はすさまじく、筆者はチームが変更を撤回しなかったことに驚いたほどだ。
よく言われるように、「壊れていないのなら、直す必要はない」のである。
結論
これら全ての理由を総合すると、筆者がなぜelementary OSを最高のLinuxディストリビューションとして選んだのかご理解頂けるはずだ。もしSystem76がPop!_OSをプリインストールしていなければ(そして、両者の連携がこれほどシームレスでなければ)、筆者はきっとelementary OSをメインのOSとして使っていただろう。本記事で紹介した利点を全て備えるelementary OSは、本当に非凡なディストリビューションだからである。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。