外免切替厳格化で合格率56ポイント急落 ひき逃げ中国人「日本語わからぬと言えばいい」 「移民」と日本人

事故現場の市道で、小学生らの脇に止まった車(右)=5月14日、埼玉県三郷市(住民提供)

母国の運転免許を日本の免許へ切り替えられる「外国免許切替(外免切替)」制度の審査が先月から厳格化された結果、静岡県内では筆記試験の合格率が前年から56ポイント急落したことが、同県警のまとめでわかった。一方、埼玉県内では外免切替で免許を得た中国人による小学生4人ひき逃げ事件の公判で、「日本語がわからないと言えばいい」などと言って逃走していたことが明らかにされた。

筆記合格率93%→37%

静岡県警によると、県内で10月1~8日に66人が交通ルールを問う筆記試験(知識確認)を受けたところ、次の運転試験(技能確認)に進んだ合格者は25人で、合格率は37・8%だった。

令和6年の筆記試験合格率は93・3%だったことから、厳格化により合格率は一気に55・5ポイント下がった。

外免切替をめぐっては、知識確認が約20言語カ国の外国語に対応し、イラストつきの正誤問題10問中7問以上の正答で通過としており、国会などで「簡単すぎる」と問題化。10月1日から出題数をこれまでの5倍の50問に増やし、9割以上の正答を要件とした。

また、試験場で実際に車に乗ってコースを走る技能確認も、これまでの通過率は3割程度だったが今回、横断歩道や踏切通過時などの確認項目が加えられた。

検察は懲役2年6月求刑

一方、埼玉県三郷市の市道で今年5月、飲酒運転して小学生の列に車を衝突させ、男児4人に重軽傷を負わせたとして自動車運転処罰法違反(過失傷害アルコール等影響発覚免脱)と道交法違反(ひき逃げ)の罪に問われた中国籍の鄧洪鵬(とう・こうほう)被告(43)の初公判が10月30日、さいたま地裁越谷支部(奥山拓哉裁判官)で開かれ、検察側は懲役2年6月を求刑した。

起訴状や検察側の冒頭陳述によると、被告は5月14日午後2時20分ごろから同3時20分ごろまでの間、三郷市内の中国料理店で約1時間にわたり生ビールの中ジョッキを5杯飲み干し、同40分ごろから車を運転。30分余り後の同4時5分ごろ事故を起こした。

「飲みすぎた」と運転

検察側は論告で、被告が事故の前に「飲みすぎた」と言いながら車を運転しており、アルコールの影響を自覚していたことから「交通の安全に対する極めて危険な運転行為だ」と指摘。

事故を起こした後も、同乗男性から「事故現場を離れてはだめだ」と言われながら、飲酒運転の発覚を恐れて逃走。「車を隠す」「日本語がわからなくて、相手が『大丈夫』と言ったからその場を離れたと言えばいい」などと言っていたことが、ドライブレコーダーに記録されていたという。

検察側は「被害者は徒歩で帰宅中の小学生4人であり、見通しのよい道路の右側を縦に並んで歩いていただけで落ち度はまったくない。自動車に突然衝突され転倒した恐怖や、被告が逃げたショックも容易に想像できる。被害者や家族、近隣住民に大きな不安や怒りを抱かせたことは明らかだ」と述べた。

被告は外免切替で日本の免許を取得。「間違いありません」と起訴内容を認め、被告人質問では「酒を飲んで興奮し、交通ルールに対する判断が鈍っていた。後悔している」などと供述した。

弁護側は「公訴事実は争わない」と述べ、執行猶予付きの判決を求めて即日結審した。判決は今月13日に言い渡される。

三郷で飲酒運転の中国人による男児4人ひき逃げ、初公判で罪を認める

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