NTT、メタル回線の固定電話を2035年ごろに終了 代替サービスへの移行は無料

 NTT東日本とNTT西日本は29日、メタル回線の固定電話サービスを2035年ごろに終了すると発表した。利用の減少や老朽化した設備の維持限界が主な理由。代替サービスへ移行する初期費用は無料とする。 【この記事に関する別の画像を見る】  メタル設備を利用した加入電話については、利用の減少や老朽化した設備の維持限界により、2035年ごろまでにはサービスレベルの維持が困難な状況を迎えるという。その背景には、光ブロードバンドやモバイルサービスの普及・拡大がある。  メタル設備を利用した加入電話について、光回線やモバイル回線を用いたサービスへの移行を段階的に実施することで、引き続き安心して固定電話サービスを利用できる環境を維持すると説明する。 ■ 今後の代替サービス  加入電話の代替サービスとして、「光回線電話」「ワイヤレス固定電話」「ひかり電話」を提供する。いずれもIP電話サービス。「光回線電話」は全国の「フレッツ光」提供エリアで10月1日に提供開始予定で、「ワイヤレス固定電話」は準備が整い次第、全国で提供開始予定。モバイル網固定電話についても、今後の制度検討状況などを踏まえ、モバイルサービス提供事業者から代替サービスとしての提供を検討中としている。  代替サービスの案内は、利用者の利用環境や要望に応じておこなわれる。移行には申し込みや工事が必要となる。サービス移行にあたる工事費などの初期費用は無料。 ■ サービス移行のステップ  代替サービスへの移行は、まずは利用者からの新規・移転などの申し込みや問い合わせ、故障・電柱・ケーブルなどの移転発生といった、利用者との接点から、代替サービスへの移行提案をおこなう。法人に対しては、端末更改のタイミングなどを踏まえ、利用状況に応じた移行提案を実施する。  既に老朽化が進み設備更新が急務となっている一部エリアや、被災・NTT東日本の電柱の移転などでメタル設備の再敷設が必要となるエリアにおいては、先行的に代替サービスへの移行対応を実施する。  一部エリアでの先行的な移行においては、利用者の移行状況などを踏まえて、エリア単位で段階的なサービス終了計画を順次公表・周知し、移行提案を進める。 ■ 詐欺被害への注意喚起  同社は、今回の発表に便乗した詐欺に注意するよう呼びかけている。特に留意すべき点として、「代替サービスでも現在利用中の電話機はそのまま利用可能」「移行には利用者からの申し込み・工事が必要」「移行の初期費用は無料」「エリア単位のサービス終了時期は、NTT東日本から書面などで通知する」といったことを挙げている。不審に感じた場合は、同社まで問い合わせてほしいとのこと。  例外として、ISDN対応機器やG4FAXといった一部の電話機などは利用できない。また、電話機の一部機能が利用できなくなる可能性がある。

ケータイ Watch,高橋 陸

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