イスラエル、ガザ全地区制圧に向け地上侵攻間近-ハマスへの圧力強化
- 明日あさってにも「ギデオンの戦車」作戦拡大へ-イスラエル閣僚
- 物資封鎖で深刻な食料不足、「国際法と人道原則」無視と国連が非難
イスラエルはパレスチナ人自治区ガザで、全地区制圧に向けた地上侵攻の準備を整えた。ハマス壊滅を目指した一斉攻撃を目前に、戦争の終結交渉に応じるようイスラム組織ハマスに最後通告を突き付けている。
トランプ米大統領が先週、イスラエル系米国人の人質解放に介入したことで、カタールでの停戦協議が再開された。残る48人の人質と、11週間前からの食糧封鎖による深刻な食糧不足問題が焦点となっている。
イスラエルは週末に空爆を強化し、約5万人の地上部隊を再配備、ハマスを追い詰めた。米政権のウィットコフ中東担当特使は約10人の人質解放と引き換えに短期停戦を実現し、その間に戦争終結の条件を交渉するという案を提示している。
イスラエル安全保障内閣のメンバーであるレゲブ運輸大臣は「交渉の進展がなければ、明日かあさってにも『ギデオンの戦車』作戦を拡大する」と述べた。イスラエル軍はすでにガザ地区の約30%を制圧している。
イスラエル首相府は18日、段階的なウィトコフ案の代替案として、ハマスがすべての人質を解放し、ガザを離れ、非武装化に応じれば、19カ月に及ぶ戦争を終結させる用意があるとの声明を出した。
現時点でハマスの回答は得られていない。
数十年にわたりガザ住民の大多数への救援を担ってきた国連は、イスラエルが提示している物資配布案の効果に懐疑的な見解を示している。グテレス事務総長は17日、ソーシャルメディアの「X(旧ツイッター)」に、イスラエルが地上侵攻を準備しているとの報道を憂慮していると投稿。「国際法と人道的原則に従わない作戦に、国連は参加しない」と表明した。
原題:Clock Ticks on Hostage Talks as Israel Gears Up Gaza Sweep (1)(抜粋)