大幅利下げ「条件付き」で支持、FRB議長候補と目されるサマリン氏
次期連邦準備制度理事会(FRB)議長候補として名前が挙げられている経済学者のマーク・サマリン氏は、9月の次回連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利を引き下げるべきだが、長期国債の利回りが上昇するならば利下げを停止する必要があると述べた。
「金融市場あるいは経済で最も弱いのは住宅だ。従って長期債利回りを上昇させてはならない」と、コンサルティング会社イーブンフロー・マクロを率いるサマリン氏は15日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで発言。「それが現時点での条件だ」と述べた。
サマリン氏が言及したのは昨年9月、FOMCが金利を50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げ、10年債利回りが上昇する中でその後2会合連続で25bpずつ引き下げた際の状況だ。長期債利回りの上昇は、それを指標とする住宅ローン金利を押し上げた。
現時点のサマリン氏による分析では、9月FOMCでは50bpの利下げ余地がある。短期債利回りにその兆候があるという。現行フェデラルファンド(FF)金利誘導目標は4.25-4.5%で維持されており、6カ月物財務省短期証券(Tビル)の金利は3.94%となっている。
「現時点で50bpの利下げを私が支持する理由の一つは、利回り曲線の短期部分に長短逆転が見られることだ」とサマリン氏。「最後に見たときは60bp程度だった。だからこの幅の利下げなら大きな混乱を招かずに実行できるということだ」と述べた。
「それだけのことだ」
FOMCが9月会合で50bpの利下げに踏み切り、10年債利回りが上昇した場合、FRBはどうするべきなのかと問われ、サマリン氏は「その時点でやめるべきだ」と回答。「利下げをやめなくてはならない。それだけのことだ」と語った。
FOMCはトランプ大統領の関税政策がインフレと雇用に与える影響を見極めたいとして、今年に入り、政策金利を据え置いている。しかし7月の雇用統計が弱い数字となったことで、市場が織り込む9月利下げの確率は90%を超えている。7月のFOMC会合では、ウォラー理事とボウマン副議長の2人が25bpの利下げを支持し、据え置き判断に反対票を投じた。
関係者によれば、来年5月に任期が満了するパウエル議長の後任候補リストにサマリン氏が含まれている。同氏はジョージ・W・ブッシュ政権で経済政策の顧問を務めた。
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原題:Sumerlin Says Fed Would Need to Stop Cuts If 10-Year Yields Rose(抜粋)