世界で話題になった虫にまつわる3つの不思議

Image: The University of Queensland

暖かくなってきて、虫たちも活発になってきた今日この頃。外を歩いていても野生の虫を見る機会が増えてきました。

今回は、そんな虫たちにまつわる面白いトピック「虫の不思議と不思議な虫」について、まとめてご紹介。

モフッモフの虫の正体は?

Image: The University of Queensland

オーストラリアで発見されたのは、白い毛に覆われたモフモフの昆虫。気になるこの虫の正体は、新種のカミキリムシなんです。確かに毛の奥をよく見ると、日本にいるカミキリムシにも似た姿をしています。

見付けたのは、クイーンズランド大学の博士候補生ジェイムズ・トゥイードさん。9.7mmと小さいサイズで、トゥイードさんも鳥のフンか何かと勘違いして見過ごしそうになったんだとか。

こちらのカミキリムシは、既存の属にも科にもない完全な新種ということで、命名もトゥイードさんが行ないました。新種の名前は、「エクスキャストラ・アルボピローサ」。ラテン語で「キャンプ出身・白くて毛深い」という意味です。

毛があることの理由はハッキリしていませんが、現段階では「外敵である鳥の目に、昆虫を殺傷する真菌に覆われ死んだように見せるため」ではないかと考えられています。

モフモフの理由が、真菌に見せかけるためとは意外。ルックスの経緯も知るとさらに興味が湧きますね。

元記事では、さらに詳しくこのカミキリムシの紹介がされていますよ。

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ハエもコカインにハマるらしい

Image: Shutterstock

ハエもコカインを摂取すると振る舞いが変化する。そんな驚きの研究結果を米ユタ大学の研究チームが発表したとIFLSが伝えました。

本来であれば、その苦味からハエはコカインを本能的に避けるのですが、研究チームは、ハエの苦味センサーをオフにすることで実験を実施。

ハエは、コカインを摂取すると、運動量が増加したり、コカインを好むようになったりといった反応を示しました。また、高濃度のコカインを摂取した際は、その運動量が低下した模様。こうした結果は、ヒトのコカイン反応と部分的に一致しているんです。

実際、実験に使われたショウジョウバエはヒトと共通の疾患関連遺伝子を数多く持っており、こうした実験は、人間の依存症のメカニズムを探るヒントにもなると期待されているんだそう。

つまり、ハエを通して「依存がどうして起きるのか?」を解明することで、コカインをはじめとする薬物依存症への新たな治療法やアプローチにつながる可能性があるんです。

この研究からは、「薬物への反応や依存には味覚などの感覚的なフィルターも関与しているかもしれない」という新しい視点が明らかになりました。

普段は厄介者のハエですが、こうした形で人間に貢献してくれていることを知ると見る目が変わりそうですね。

元記事では、さらに詳しくこの実験についての紹介がされています。

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地中からカタツムリを捕食するハンター

調査中に発見されたシュリマイマイ類の死骸(A)。シュリマイマイ類の軟体部は地面に開いた穴(赤矢印)に引き込まれていた(B)。穴の中から発見されたコメツキムシ科幼虫(C)。 Image: 東京都立大学

殻のあるカタツムリは、ナメクジなどに比べ、捕食されづらそうにも見えますが、殻のガードを無効化してしまう虫が発見されました。

研究グループが発見したのは、地中からカタツムリを捕食する幼虫。幼虫を育ててみた結果、この虫は、これまで詳しい生態が不明だったサカグチオオヒラタコメツキという昆虫であることが発覚しました。

サカグチオオヒラタコメツキの幼虫は、地面に穴を開け、穴の上にきたカタツムリの軟体部分を引きずり出すことで、カタツムリを食べるんです。

Image: 東京都立大学

発表によると、カタツムリは、捕食者に襲われると殻を振って応戦するものの、無防備な下側から軟体部に咬みつかれると、まったく抵抗できないまま捕食されてしまうとのこと。確かに、下からの攻撃を殻で防ぐのは難しそう。

サカグチオオヒラタコメツキの幼虫が、カタツムリ専食なのかどうかは不明ですが、観察結果から「カタツムリへの依存度は高い」と考えられているようです。

元記事では、さらに詳細にサカグチオオヒラタコメツキの幼虫について紹介がされています。

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