中国資本の廃墟ビルに「自称難民」だらけ…移民が押し寄せた「ロンドンのベッドタウン」の成れの果て(プレジデントオンライン)|dメニューニュース

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/pedro emanuel pereira

PRESIDENT Online 掲載

移民は街にどのような変化をもたらすのか。イギリス在住で著述家の谷本真由美さんは「ロンドン南部にあるベッドタウン、クロイドンは豊かな中流以上が住む南部と、難民や貧しい移民が住む北部で街が真っ二つに分かれており、治安が悪化している。この街を訪れると、日本の未来のように感じる」という――。

※本稿は、谷本真由美『世界から見た日本の保守』(扶桑社新書)の一部を再編集したものです。

■廃墟となった元ネスレの高層ビル

クロイドンの街の中心は、都市政策にも大失敗しており、イギリスで時々、典型例として取り上げられるほどです。

地方税は高額なのに自治体は過去に破綻しており、裕福な住民も多く住むはずなのに、市は行政に失敗しています。犯罪を防いだり、特定の人種が固まった地域を作らないような街作りも行われていません。

そして、この街作りの失敗にも移民問題が大きく関係しています。

クロイドンには1960年代に建てられたコンクリート造りの無骨なビルが多数立っていますが、その中でももっとも高いビルである元ネスレのビルが有名です。このビルはネスレ社が移転したため、2017年に中国の不動産開発会社であるR&F Propertiesが取得しました。

2000年以降、イギリスでは中国資本によるオフィスビルや住宅の買い占めが盛んになりました。イギリスの不動産価格は、ロンドンや都市部の場合、2000年からの20年間で倍近くにも値上がりした物件が多く、不動産投資ブームの真っただ中でした。資産の多くを不動産に替える人も多く、2010年頃までに不動産を入手した人たちの資産はどんどん増えていきました。

■外国人に買い漁られ、そのまま放置

イギリスは、日本と同じく外国人が土地や不動産を自由に売り買いでき、所有にも制限がないため、政治的に不安定だったり土地を所有できない独裁国や途上国から莫大な資金が流れてきました。

中国や香港、シンガポール、台湾、ロシア、中央アジア、アフリカ、南米など全世界から資金が集まってきたのです。今の日本でも外国人による不動産取得が大問題ですが、それよりはるかに大規模な外国人による買い占めが20年以上前から存在したのです。

このような流れの中で中国資本に買収されたネスレのビルとその周辺地域は、行政的には再開発の対象になっていました。ですが、2019年頃から工事が始まったものの、2020年に工事が停止し、中国における不動産バブルの崩壊とともにビルの開発が中止となり、そのまま放置されているのです。

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