危険運転で3人重軽傷 酒気帯び運転で高額罰金刑の前科1犯 裁判所「直ちに実刑に処することはためらわれる」執行猶予判決を選択した理由【判決詳報・後編】
2025年8月11日早朝、酒の影響により前方注視及び運転操作に支障が生じるおそれがある状態内でトラックを運転した北九州市若松区の会社員・田中博章被告(44)。 【写真で見る】事件現場(北九州・若松区) 田中被告が運転したトラック 北九州市戸畑区でトラックを対向車線にはみださせて3台の乗用車に衝突、3人に重軽傷を負わせて危険運転傷害の罪に問われた。 判決で福岡地裁小倉支部は「3名に骨折等の重傷を負わせた」「酒気帯び運転で高額の罰金刑に処せられた前科が1犯」などと厳しく指摘したうえ死亡事故にまでは至っておらず、任意保険により治療費等の賠償について適切な対応がとられている点、田中被告本人も首を骨折するなどの大けがを負って飲酒運転の危険性を身をもって知った点などを考慮して執行猶予付き判決を言い渡した。 ※この判決は前・後編で掲載しています。 【前編から…】焼酎1本空け、翌朝吐き気…それでもトラックを運転した44歳会社員の男 対向車3台を巻き込み3人重軽傷の危険運転 検察側が拘禁刑2年10か月を求刑【判決詳報・前編】 ■裁判所「血液からは高濃度のアルコールが検出、これが本件の危険な運転に著しい影響を与えたことは明らか」 2月12日の判決で福岡地裁小倉支部(武林仁美裁判官)は 「本件は、田中被告が飲酒運転の末に注意力が散漫となり不適切なブレーキ操作を行った結果、自車を対向車線に進出させて多重衝突事故を起こした事案である」 と認定。 そのうえで 「事故後病院に救急搬送された被告人の血液からは2.31mg/mlもの高濃度のアルコールが検出されており、これが本件の危険な運転に著しい影響を与えたことは明らかである」 と判示した。 ■裁判所「3名に骨折等の重傷を負わせた」「酒気帯び運転で高額の罰金刑に処せられた前科が1犯」厳しく指摘 裁判所は田中被告人に不利な事情について 「田中被告は人身事故を起こしてその危険を顕在化させ、3名の被害者に骨折等の重傷を負わせた」 「田中被告には2019年に酒気帯び運転で高額の罰金刑に処せられた前科が1犯あり、それにもかかわらず本件の飲酒運転に再び及んだ点も厳しい非難が向けられる」 と厳しく指摘。 さらに被害者感情について 「被害者らがいずれも田中被告に対する厳しい処罰を求め、うち1名は法律で定められた最も重い判決を望む旨公判廷で述べており、このような被害者らの心情も当然のものとして理解できる」 と言及した。