習氏訪米はそう遠くない、トランプ氏示唆-6月バースデーサミットも

Hadriana Lowenkron

  • トランプ政権は対中追加関税を20%に引き上げ、貿易戦争が激化
  • 新たな貿易のディール締結に向け中国との協議には前向きな姿勢示す

トランプ米大統領は17日、中国の習近平国家主席が近くワシントンを訪問するだろうと述べた。米中間では貿易戦争激化に伴い緊張が高まっている。

  ワシントンにあるジョン・F・ケネディ舞台芸術センターの理事会に出席したトランプ氏は、習氏が「そう遠くない将来」に訪米する見通しだと語った。

  トランプ政権は、合成麻薬フェンタニルとその原料の化学物質流入を巡り中国当局が取り締まりを怠っているとして、対中追加関税を20%に引き上げた。

  一方、6月の「バースデーサミット」開催の可能性を米中の当局者が協議していると米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が先に報道。6月半ばに誕生日を迎える両首脳の会談が実現すれば、トランプ氏のホワイトハウス復帰後では初めて。具体的な時期について同氏は詳しく言及していない。

  中国当局は、フェンタニルを関税引き上げの口実に利用しているとトランプ大統領を批判してきた。中国外務省と公安省は、麻薬取引に対し厳しい取り締まりを行っているとかねて主張。外務省当局者は、中国からの輸入品に関税を課すのではなく、米政府は「大きな感謝」を示すべきだと主張し、協議再開を求めた。

関連記事:中国、トランプ政権にフェンタニル巡る協議の再開促す-当局者

  トランプ氏は対中圧力を強めながらも、新たな貿易のディール締結に向け中国との協議に前向きな姿勢を示す一方、習氏をたびたび称賛してきた。習氏は2020年に「第1段階の米中貿易合意」を実現させたが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)発生後、グローバルな公衆衛生危機の責任が中国にあるとトランプ氏が批判し、関係に溝が生じた。

原題:Trump Says Xi Will Visit Washington in Not Too Distant Future(抜粋)

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