ウクライナ、ロシアの軍用飛行場への攻撃を強化 都市とインフラ狙う攻撃に対抗
(CNN) ウクライナの治安当局は今月、ロシアの戦闘機や潜水艦に対する無人機攻撃と破壊工作を強化した。自国の都市やエネルギーインフラに対するロシアの絶え間ないミサイル攻撃に対抗する手段の一つだと、アナリストたちは見ている。 【映像】軍用飛行場で破壊工作、燃え上がるロシア軍戦闘機 過去3週間、ウクライナは被占領下のクリミア半島とロシア南部にあるロシアの軍用飛行場への攻撃に長距離無人機を使用し、複数の攻撃機を破壊した。 ウクライナ国防情報局によると20日の夜、ロシア西部のリペツク飛行場で行われた破壊工作で、ロシアのSu30戦闘機2機が損壊した。 被害の規模は独自に確認できていない。ロシア軍はこの事件について公式にコメントしていない。 国防情報局は、「リペツク近郊の飛行場での特別作戦の計画には2週間を要した」と述べた。同局は、ロシア軍の基地哨戒活動は監視されており、破壊工作員は「妨害を受けずに」基地から立ち去ったと付け加えた。 クリミア半島のロシア軍基地も今月攻撃を受けている。リペツクへの作戦と同じ夜、長距離無人機がベルベク基地のSu27戦闘機2機を襲ったと、作戦の画像を提供したウクライナ保安庁(SBU)は述べている。 「機体1機は戦闘装備を満載した状態で滑走路上にあり、戦闘飛行態勢にあった。機体は破壊された」とSBUは述べた。 Su27の最新型は誘導爆弾を搭載可能。これらの爆弾はウクライナで甚大な被害をもたらしている。 ベルベク基地は数日中に2度の攻撃を受けており、ウクライナがロシアの防空網を回避・破壊する新たな手段を模索していることを示唆する。SBUは12月18日に同基地のレーダー装置と防空システムを破壊し、その後の攻撃に対する脆弱(ぜいじゃく)性を高めたと主張している。 SBUによると、同じ空襲で戦闘装備を満載したMiG31戦闘機1機も破壊された。 22日には、ウクライナ軍がロシアのクラスノダール地方にあるタマネフテガス石油ターミナルを攻撃したと発表した。同軍によると、パイプライン1本、停泊所2カ所、船舶2隻が被害を受け、火災が発生した。ウクライナ側によればこの石油ターミナルは「占領軍の軍事作戦の資金と兵站(へいたん)」を支えているという。 クラスノダール地方当局は、ドローン(無人機)攻撃により船舶2隻と埠頭(ふとう)2カ所が破壊されたことを確認した。船舶に乗船していた全員が避難し、乗組員や陸上要員に死傷者はいなかったと当局は述べた。 クラスノダール当局によると、火災は1000平方メートル以上延焼し、埠頭が損傷した。 ウクライナの治安当局はロシアの航空機だけを標的にしているわけではない。1週間前には黒海の港町ノボロシスクの基地で、水上ドローンによるロシア潜水艦への攻撃が行われた。