米ハーバード大がかつて安値で購入したマグナ・カルタの複製、「原本」だった

米ハーバード大ロースクールに展示されているマグナ・カルタ=4月15日/Lorin Granger/Harvard Law School/AP

(CNN) ハーバード大学ロースクールが数十年前にわずか27ドル50セント(現在のレートで約4000円)で購入したマグナ・カルタ(大憲章)の「写本」が、1300年に作成された極めて希少な原本であることが分かった。

キングス・カレッジ・ロンドンで中世史を専攻するデービッド・カーペンター教授は15日、CNNの取材に対し、「自宅でマグナ・カルタの非公式な写本を探していたところ、かなりの数を見つけた」と、発見時のことを振り返った。ようやくハーバード大ロースクールの写本にたどり着き、法令集が見つかると思ってクリックしたところ、1300年に作成されたマグナ・カルタの原本だったという。

マグナ・カルタは、英国法における人権を定めた文書で、最古の人権宣言とみなされることが多い。

英国議会のウェブサイトによると、この憲章は「国王とその政府は法を超越しないという原則を明文化した」最初の文書だ。

研究者らは、ハーバード大の文書について、エドワード1世の治世下で1300年に作成されたマグナ・カルタの一つだと考えている。これらのうち現存するものはわずか7部だとされる。

ハーバード大ロースクール図書館の収蔵記録によると、同図書館は1946年にロンドンの書籍商からオークションでこの文書を購入した。書籍商の前には第1次世界大戦のパイロット、フォースター・メイナード空軍少将が短期間所有しており、メイナード氏は奴隷貿易反対運動の指導者2人からこの写本を相続していた。

英イーストアングリア大学の中世史教授で、カーペンター氏と同じくマグナ・カルタの専門家であるニコラス・ビンセント氏は記者発表で、「この文書の起源は実に素晴らしい」と述べた。「この文書が所在する場所、そして現在の米国における自由や憲法の伝統をめぐる問題を考えると、これ以上に素晴らしい起源は考えられない」

カーペンター氏によると、筆跡や文書の寸法など、発見当初からこの文書の真正性を示す証拠は複数あったという。

画像撮影技術を用いてマグナ・カルタの検証を進める様子/Debora Mayer/Harvard Weissman Center/AP

同氏はその後、ハーバード大ロースクールから提供された紫外線画像などの画像を用いて、新たな文書の文面を他の原本と「照合」した。

カーペンター氏は、この文書がハーバード大に収蔵される「至宝の一つ」として一般公開されると考えている。

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