「呪物というより御神体」 木の幹にピンセットを差し込み、ゆっくり引き抜くと…… 中から現れた“激レア”な物体に驚き「生命の力、凄い」

 木の幹からはみ出した“謎の物体”を引き抜いて観察する動画がInstagramに投稿されました。中から出てきたとんでもないモノの姿に感動する声が上がり、注目を集めています。以下、菌類が苦手な方は閲覧注意です。

 動画を投稿したのは、東京都在住のフォトグラファー・KUMA-G(クマG/@kuma_ggggggg)さん。木の幹にピンセットを差し込み、木の幹から引き抜くと……。

ピンセットで引き抜いたら……

 まるで鹿の角のような突起がついた、細長くて茶色い物体が出てきました。こ、これは一体……?

 それはカミキリムシの幼虫から発生するという、冬虫夏草(とうちゅうかそう)の「テッポウムシタケ」。冬虫夏草は虫などに寄生するキノコの仲間で、健康食品や漢方の素材として利用されることもあり、主に免疫力を高める作用があるとされています。出てきたテッポウムシタケは、立派な角を持ったような存在感のある見た目で非常に驚かされます。こんなものが木の穴に埋まっていたとは……。

すごい存在感

 KUMA-Gさんによると、2024年の秋ごろに「冬虫夏草っぽい謎の物体を発見した」との連絡があり、そのときにこちらのテッポウムシタケの幼菌を発見。木の幹から引き抜いて観察したあとは穴に戻し、そこから経過観察をスタートしました。

発見したときの様子

 「表面に見える茶色の粒々は子嚢果(しのうか)と呼ばれ、この中に胞子(子嚢胞子)が入っています」とKUMA-Gさん。白い子実体(しじつたい)は2024年10月に1度折れてしまったものの、その後新しく出てきた子実体がぐんぐん成長していったそうです。

子嚢果:胞子を作る袋(子嚢)が集まった部分。表面の粒々がこれで、中に子嚢胞子が入ります※子実体:いわゆる“キノコ本体”。胞子を飛ばすための部分で、白い棒状の部分がそれにあたります

新しい子実体が出てきて

どんどんはみ出ていく……!

 そして2025年8月、今回あらためて引き抜いてみると「まるでヘラジカの角を思わせる凄まじい形状へと変化しました」と、驚きの変わり具合とその生命力に感動。約10カ月前の写真と比較するとまた興味深い……。

2024年秋ごろ撮影。テッポウムシタケの幼菌が……

2025年8月。ぐんと成長したのがわかります

 KUMA-Gさんは、「中身がぎゅっと詰まっているであろう、しっかりとした手触りと重量感は、冬虫夏草界の大物&レア物の二冠を制するに恥じないオーラと存在感」と絶賛。ちなみにこちらのテッポウムシタケは「キノコとしてピークはすでに迎えていると思いますが、これからどう変化して行くのか…… しっかり見届けたいと思う次第であります!」とのことで再び穴に戻しており、今後も観察を続けていく予定とのことでした。

 動画には、「生命の力、凄いですね」「すごい歳月を経て成長していくんですね…」「呪物というより御神体 こうして順を追って見ると更に感慨深いわ」「メチャクチャ勉強になります 本当に貴重な動画、いつもありがとうございます」などの声が届いています。

 KUMA-GさんのInstagram(@kuma_ggggggg)では主に、さまざまな虫や菌類といった小さな被写体を鮮明に捉えた動画や写真が公開されています。

※動画提供:KUMA-G(クマG/@kuma_ggggggg)さん

関連記事: