2~3年放置したPCのホコリにUSB充電式エアダスターは通用する?リアルな実力を試してみた
最近、筆者の私用PCのファン動作音が気になりだした。原因は明確で、ホコリでエアフローが悪くなりファンが回転数を上げて必死にケース内の熱気を排出しようとしているのだ。
筆者は面倒くさがりなので、2~3年ほどPCケース内部の掃除をサボっている。見て見ぬふりをしてきたホコリの山が想像できる。
さすがにそろそろ一度掃除をしてみようと思い、今回、USB充電式エアダスターを使ってPCを掃除しつつ、リアルな実力を検証していく。
はじめに今回使用するエアダスターについて簡単に紹介していく。
使用するのは、USB充電式のポータブル電動エアダスター「VIOLENT FAN X6」。オリオスペックで販売されており、購入時の価格は4,980円(定価:5,478円)。
VIOLENT FAN X6は、最大回転数130,000rpmの高速ブラシレスモーターを搭載し、最大風速52m/sを実現する。本体サイズは145×95×40mm、重量は約325g。バッテリー容量は8,000mAhで、充電にはUSB Type-Cコネクタを使用する。
2種類のノズルが付属しており、ノズルはマグネットで簡単に取り付けることができる。また、本体は過熱保護機能が搭載されており、150度に達すると自動で動作を停止するようだ。
今回掃除するPCだが、思った以上に状態がひどかった。
各冷却ファンのほか、電源シュラウド部、GPUのバックプレート、PCケースのフロント・サイドパネル、サイドの通気口などがホコリで白くなるほど汚れがたまっていた。
「これではファンの動作音もうるさくなるわけだ」と反省。
次は実際の使用感を書いていく。結論から先に書くと、筆者としてはかなり満足する製品だった。小型ファンを使用した充電式のエアダスターということで「風力はガス式と比較したら劣るだろう」という先入観があった。しかし、その予想は良い意味で裏切られた。
体感として、USB充電式のエアダスターはガス式よりも風量がパワフルだ。付属ノズルの形状も相まって、細かい部分のホコリも的確に除去することができた。
特に風量を強めの設定にした状態では、CPUクーラーのファンにこびりついたホコリやフィンに詰まっていたホコリを吹き飛ばすのに十分な性能を発揮した。
PCケースのフィルターについては、ホコリで向こうが見えない状態になっていたが、しっかり綺麗にすることができた。
手軽でパワフルなUSB充電式エアダスターだが、一点だけ懸念点がある。それは動作音だ。
風量を最大にすると、モーターとファンの回転数が上がり、「キーン」という高めの動作音が発生する。静かな環境や夜間での使用は、多少ためらわれるかもしれない。この点においては、ガス式に利点があると言える。
どうしても大きな音が出せないという人には、ガス式が向いているかもしれない。
清掃後、PC内部はかなりクリーンな状態になったが、全てが完璧というわけではなかった。
2~3年という長い年月をかけて固着した土埃のような汚れは、強力な風でも完全には除去しきれなかった。これはガス式でも同様であり、一度こびりついた汚れは、シートなどで擦らない限り完璧に綺麗にするのは難しい。読者はこまめな清掃を心がけてほしい。
次にコストパフォーマンスについて考えていく。
USB充電式の場合、初期費用として数千円を要するが、一度購入すれば繰り返し充電して使用できるのに対し、ガス式は1本数百円と安価だが消耗品であり、使用頻度が高ければその都度購入費用が発生する。
買い替える手間と費用を考慮すれば、USB充電式に軍配が上がるだろう。また、ガス特有のにおいがない、廃棄の手間が省けるといった安全性や利便性も大きな利点だ。
手軽かつパワフルにホコリを除去できるUSB充電式エアダスターが、PCメンテナンスの強力なツールであることは間違いない。通販のほか、家電量販店やPCショップで購入でき、入手性も向上している。
これからエアダスターの購入を検討しているのであれば、選択肢の一つとして考えてみてほしい。