そんなスゴかったの!? 初代プリメーラが神格化しているワケ

/ コラム

今なお絶大な人気を誇る日産初代プリメーラ。当時の価格を上回るお値段の個体も散見される事態となっているが、なぜ初代プリメーラはこんなにも支持されるのか!? その真相を一挙に!!!!!

文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部

【画像ギャラリー】内装もこだわり満点だったとは!! 初代プリメーラ人気なのも納得なワケ(6枚)

ぱっと見フツーのセダンであるが、それこそがこのクルマの魅力なのだ

 日産の歴史の中でもスポーツセダンの代表格として燦然と輝いている初代プリメーラ。しかし当時を知らない世代からしてみると何の変哲もない4ドアセダンのようにも見えてしまうのだが、果たして初代プリメーラはどこがそんなに優れていたのだろうか?

 初代プリメーラが登場したのは1990年2月のこと。当時の日産は、“1990年代までに世界一の動的性能を実現する”ということを目標とした「901運動」なる社内活動が行われており、クルマの動的性能、つまり走りに関する部分のブラッシュアップに躍起になっていたのだ。

 この運動のきっかけとなったと言われるのが、現在日産の上級モデルなどに脈々と受け継がれている「マルチリンク式サスペンション」であり、プリメーラは前輪駆動モデルでありながら、このマルチリンク式サスペンションをフロントに採用していたのである。

 この901運動の成果のひとつであるマルチリンク式サスペンションを備えた初代プリメーラのハンドリングの評価は非常に高かった。

 当時は動的性能でワンランク上の存在とされていた欧州車に匹敵するか、それを上回るものという意見もあるほどで、実際に初代プリメーラに触れてみて欧州車から乗り換えるユーザーも少なくなかったという逸話が残るほどだったのだ。

内装もいたってシンプル!! でも細かいなとこにまで配慮がされており、完成系ともいえるデキだったのだ

 また機能装備としても、例えばフロントシートの背もたれの調整を細かく設定できるダイヤル式としたり(のちにレバー式となるが)、パワーウィンドウのスイッチをセンターコンソールに集約(こちらものちにドアに移設されるが)。

 トランクのアームをパンタグラフ式としてトランクスペースを犠牲にしないように配慮するなど、輸入車的な要素が多く備わっていた。

 そしてそのスポーツ性を引っ提げて日本のJTCCを始めとする世界各国のツーリングカーレースにも参戦し、多くのライバル車と激しいバトルを繰り広げたことも、プリメーラの人気を高める要因のひとつとなったのだった。

 このようにコアなファンからは高い評価を集めた初代プリメーラだったが、“普通の4ドアセダン”として購入した一般層からは、そのスポーティなハンドリングゆえの乗り味の硬質さや欧州テイストの装備類について不満が噴出し、改良を重ねるごとにマイルド化。

 それによって2代目モデルなどは他の4ドアセダンと明確な差別化が見られなくなってしまい、埋没していってしまったのは残念なところだった。

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