今日の株式見通し=売り先行、米中摩擦ぶり返しを嫌気 押し目買いが支え

[東京 23日 ロイター] - きょうの東京株式市場で日経平均株価は、売りが先行すると想定されている。前日の米国市場で米中貿易摩擦への懸念がぶり返したことや、さえない企業決算を受けて株安となったことが嫌気されそうだ。高値警戒もくすぶり、利益確定売りが誘発されやすい。一方、出遅れた投資家による買いも意識され、売り一巡後は押し目買いが支えになるとみられる。

日経平均の予想レンジは4万8600円─4万9300円。

米フィラデルフィア半導体指数(SOX)が2%超安となる中、日経平均への寄与度の高い国内の関連株の動向に目配りが必要となる。前日はAI(人工知能)関連の一角とされるソフトバンクグループ(9984.T), opens new tabの値動きが日経平均の方向感に影響した。米電気自動車(EV)大手テスラ(TSLA.O), opens new tab株が決算を受けて時間外で軟調なことも、投資家心理の重しになりそうだ。

トランプ米大統領が中国のレアアース(希土類)輸出規制への報復措置として、米国製ソフトウエアを使用した多岐にわたる製品の中国への輸出制限を検討していると伝わり米株の重しになったが、「ディールの一環であり、大事には至らないのではないか」(いちよしアセットマネジメントの秋野充成社長)との見方がある。

高値警戒感は根強い一方、買い遅れた投資家の下値での買いは継続しているとみられている。ハイテク株が売られる場合、出遅れ銘柄に資金が回るとの思惑もある。「米金利低下の方向性への確信が揺らがない限り、下がっても押し目買いでいいだろう」(いちよしAMの秋野社長)との見方がある。

きょうはEU首脳会議(24日まで)が開かれるほか、米国で9月中古住宅販売件数の発表、複数の米連邦準備理事会(FRB)理事の発言機会がある。米インテル(INTC.O), opens new tab、フォード(F.N), opens new tabの決算発表もある。
前日の米国株式市場で主要3指数は下落した。米動画配信サービス大手ネットフリックス(NFLX.O), opens new tabや米半導体大手テキサス・インスツルメンツ(TI)(TXN.O), opens new tabの決算が嫌気されたほか、米中貿易摩擦への警戒感がぶり返し、投資家のリスク選好が後退した。

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