「9月の星空・天文情報」 約3年ぶりに日本全国で皆既月食 南太平洋では部分日食

9月の星空や天文情報です。8日はおよそ3年ぶりに日本全国で皆既月食が見られます。また、22日には南太平洋で部分日食が起こります。日食は日本では見られないものの、環のある惑星として人気の土星が下旬に見頃を迎えます。

9月は、昼間はまだ厳しい暑さの日もありますが、夜は涼しさを感じる日が増える時期です。 気象庁では9月~11月を「秋」としていますが、9月でも「夏の大三角」が空高く見えます。「夏の大三角」は3つの1等星、こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブを結んでできる大きな三角形です。 また「夏の大三角」の東側に目を向けると、同じくらいの明るさの4つの星が作る「秋の四辺形」があります。 秋の夜長、じっくり夜空を眺めてみるのもおすすめです。

9日3:09(日本時間)に満月を迎えます。 満月には英語圏で様々な呼び名があります。今年の9月の満月は「コーンムーン(英語:Corn Moon、トウモロコシ月)」。この呼び名はアメリカが発祥とされ、トウモロコシの収穫時期を示しているそうです。 【参考サイト】 The Old Farmer's Almanac AstroArts

満月のとき、太陽、地球、月が一直線にならぶと、月食がおきます。満月が地球の影にすっかり入ってしまうと、皆既月食になります。 日本全体で皆既月食が見られるのは、2022年11月8日以来、およそ3年ぶりです。 国立天文台によると、7日夕方に昇った満月は、8日1時27分に欠け始めます。満月がすっぽりと地球の影に入る皆既食は2時30分~3時53分、その後4時57分に部分食が終わります。 月食は肉眼でもしっかり観察できます。皆既月食の最中、月は真っ黒に見えるのではなく、赤銅色に見え、スマートフォンやデジタルカメラ、ビデオカメラで撮影することもできるでしょう。満月が地球の影によってどんどん姿を変えていく様子をぜひ楽しみたいものです。 そのためには、月の位置をあらかじめ確認しておくのがポイントです。 皆既食になってしまうと、月を見つけるのが難しいことがあります。月が欠ける前に、早めに月の位置を確認しておくのがおすすめです。


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16日~20日は、月が木星、金星と共演します。 16日20時頃に月が木星に最接近。 また、19日~20日にかけては、夜明け前の東の低い空で、金星と細くなった月がコラボします。 ぜひ、空を見上げてみてください。

9月下旬に土星が見頃となります。土星は、日の入りの頃に東の空から昇って真夜中に南中し、日の出の頃に西の空に沈むため、一晩中見ることができます。 「環(わ)」のある土星、2025年は少々様子が違います。 土星の環の見え方が来年まで非常に細い状態が続きます。もし、望遠鏡で土星を見る機会があれば、環の見え方にも注目してみましょう。

22日に、ニュージーランド、タヒチなど南太平洋で部分日食が見られます。 一方、日本では全く見られません。部分日食は、日本時間では3時~5時頃にあたりますので、インターネット中継などで視聴する場合には、時間をよく確認しておきましょう。

日本気象協会 長野支店 星野 朋美

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