低迷するインド株、さらなる下落リスクに直面-米国25%関税措置で

Ashutosh Joshi

  • トランプ氏、インドに8月1日から25%の関税を賦課すると表明
  • インド株のリターンは今年多くの世界の主要市場を下回る

低迷するインド株式相場が、米国の関税措置に伴いさらなる下落リスクに直面している。

   トランプ米大統領はインドからの輸入品に対し、8月1日から25%の関税を賦課すると表明。インドがロシアから軍事装備品やエネルギーを購入していることを問題視し、追加のペナルティーを科す考えも示した。

  それまで米国と合意したアジア諸国・地域の関税率は15-20%となっており、インドへの関税率はそれらを上回る。

関連記事:トランプ氏、インドに25%関税発表-ロシア産品購入の懲罰も示唆 

  インド株式相場のリターンは今年、多くの世界の主要市場を下回っている。景気や企業業績の減速を巡る懸念が響いている。

  この傾向は7月、一段と強まった。海外投資家が資金を引き揚げ、香港や韓国といった割安さや魅力で勝る市場に目を向けている。インド株市場の時価総額は2日に過去最高を記録したが、その後2480億ドル(約37兆円)減少した。

  インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジストは25%の関税率について、輸出関連銘柄を中心にインド株市場にある程度の悪影響を与えるとの見方を示した。

  MSCIインド指数は7月、2月以来最もパフォーマンスが悪い月となりそうだ。年初来では小幅ながら上昇しているものの、MSCIアジア太平洋指数(約14%上昇)などに及ばない。

原題:Trump’s Tariffs Threaten to Deepen $248 Billion India Stock Rout (抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE

関連記事: