自ら負傷した脚を切断 491日間前線に取り残された末に、大型ドローンで救助されたウクライナ軍兵士が体験を語る
ハルキウ州の前線拠点に取り残された負傷ウクライナ兵が、ドローンによって救出された。ウクライナ側はこれを前例のない作戦だと説明している。491日間、ほぼ1人で現場に留まっていたというこの兵士が、ロイターの取材に応じた。 ◇ウクライナ軍は、ハルキウ州の前線に1人取り残されていた兵士をドローンで救出した際の様子だとする映像を公開した。救出作戦は、前線の拠点で孤立していたこの兵士との連絡を保ち、支援を届けようとする試みが1年以上続いた末に実施された。映像は今月19日に公開された。ロイターは正確な撮影場所と日付を独自に確認できなかった。この救出された兵士、コスチャンティン・ウラセンコさん(49)がロイターの取材に応じ、自分が救出されることはないだろうと思っていたと語った。第30機械化旅団に所属するウラセンコさんは、脚に重傷を負いながらも陣地にとどまっていた。コスチャンティン・ウラセンコさん「自分は死んだも同然だと思っていた。分かるだろう。491日間、ほぼ独りだった」5年目に入ったウクライナとロシアの戦争は、戦闘でのドローン活用を象徴する事例の1つとなった。ドローンは軍事戦略を塗り替え、戦場の様相を変えており、双方がこの技術への投資を続けている。ウラセンコさんは、救助のドローンが到着した瞬間を忘れられないと語った。「ヘリコプターが着陸するようだった。ものすごいごう音だった。このうなり音は、一生忘れない。あの瞬間には、味さえあった。どんな味か説明できないが、確かにあった。信じられない体験だった」ウラセンコさんは、ロシア軍のドローンが投下した弾薬で脚と首を負傷した。ここから長い試練が始まった。負傷しながらも、間に合わせの避難場所まで何とかはって移動し、何カ月も身を隠した。ウラセンコさんは感情をあらわにしながら、自身の救助に向かった兵士たちが、その途中で命を落としたと語った。そして、生き延びるために下した壮絶な決断を明かした。「恐ろしい瞬間が何度かあった。自分で脚を切断した時もそうだ。脚が後ろに引きずられるだけになり、切断するしかなかった。引きずるたびに、骨がますますむき出しになった」「やるしかなかった。あの脚が邪魔になっていた。もう助けようがなかった。だから切ることにした。切断して止血帯を巻き、すぐに包帯を巻いた。出血が止まったので、止血帯を緩めた。その時には、もう両脚ともなかった。両脚を失ったまま、陣地にとどまった」
今は戦闘地域を離れたウラセンコさんは、心の傷と重傷からの回復を目指している。それは戦争の中でもひときわ壮絶な体験だった。