カシュカリ総裁、年内あと2回の米利下げを想定-労働市場減速に言及
- 今週の米利下げを支持、失業率上昇リスク踏まえ何らかの措置必要
- 中立金利見通しを3.1%に引き上げ、AIなど複数要因で上昇した可能性
米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、連邦公開市場委員会(FOMC)が今週決定した利下げを支持し、年内2回の追加利下げを想定していると述べた。
カシュカリ総裁は19日、同連銀のウェブサイトに掲載した論考で「失業率が急上昇するリスクを考慮すれば、労働市場を支援するためにFOMCは何らかの措置を講じるべきだと考える」と述べた。
FOMCは17日、0.25ポイント利下げを決定。昨年12月以来の利下げで、弱さを見せる労働市場に対応する狙いがある。
カシュカリ氏は今年のFOMCで議決権を持たないが、会合での議論には参加する。同氏は以前、2025年に2回の利下げが必要との見通しを示していた。年内残りのFOMC会合は10月と12月の2回だ。
同総裁は「一連の利下げを目指した事前に設定されたコース」を進むべきではないとして、労働市場が今以上に強い、あるいはインフレが加速する場合には据え置きを支持し、また経済にとって必要ならば利上げの検討さえ辞さないだろうと述べた。
米国の雇用はここ数カ月で大幅に減速し、失業率は8月に4.3%へ上昇、2021年以来の高水準となった。
カシュカリ氏は「現時点ではインフレの大幅な上振れよりも、労働市場の急速な悪化がリスクとしては大きいだろう」と述べ、インフレ率は、米金融当局の目標である2%を上回る現状付近にとどまる可能性が高いとの見方を示した。
また、中立金利見通しを3.1%に引き上げた。人工知能(AI)などの効率性が高い産業への投資シフトや関税による外国資本コスト上昇などを背景に、中立金利はここ数年で上昇した可能性があると、同氏は指摘した。
原題:Fed’s Kashkari Sees Two More 2025 Cuts Given Hiring Slowdown
(抜粋)