“パワードスーツ”はもうSFの道具じゃなかった 高尾山でコンシューマー向け外骨格「Hypershell X Pro」を試す:武者良太の我武者羅ガジェット道(1/5 ページ)

 人間の筋力を増強、補強する「パワードスーツ」と聞くと、どうしてもSFの世界のようなガジェットを思い浮かべてしまいます。もしくは、研究施設や産業用途の装備という印象が強いですよね。ところが実際には、一般ユーザーが購入できるコンシューマーモデルも登場しています。気付けば、もはや未来の話ではなくなっていました。

 その1つが、脚力の強化を目的とした外骨格式のパワードスーツ「Hypershell X」です。腰から太ももにかけて装着し、歩行時の脚の動きを補助する製品です。

超距離の移動や、階段の上り下りが多いメンテナンス/警備/宅配業の方にも注目されている、外骨格式のパワードスーツ「Hypershell X Pro」

 今回、ミドルレンジモデルとなる「Hypershell X Pro」を試す機会が得られたので、高尾山のハイキングに使ってみました。上りと下りの負担がはっきり分かれる場所で、脚力を補助する外骨格がどう働くのか、試してみました。

 日本では、「Hypershell X Go」「Hypershell X Pro」「Hypershell X Carbon」「Hypershell X Ultra」の4モデルが販売されています。

 今回試したHypershell X Proは、エントリーモデルであるHypershell X Goから出力とアシスト段数を引き上げたモデルです。重量は同じながら、モーター出力を400W→800Wに倍増。バッテリー駆動可能距離も引き上げられ、歩行、上り坂、ランニングなど、状況ごとに適切なアシストを行うアクティブモーション数も増えています。

まさに外骨格という言い方が似合う、Hypershell X Proのスタイリング
バッテリーとフレーム、足の動きをアシストするアームで構成されている

 Hypershell X CarbonはHypershell X Proと同じ駆動系を用いながら、カーボン素材などを使うことで軽量化したモデルです。Hypershell X Ultraは、さらなるパワーアップを果たしたハイエンドモデルで、この2モデルは高価です。

製品名 価格 最大出力 バッテリー駆動可能距離 最大移動速度 アクティブモーション数 本体重量 Hypershell X Go 13万9800円 400W 15km 12km/h 6段階 2kg Hypershell X Pro 17万9800円 800W 17.5km 20km/h 10段階 2kg Hypershell X Carbon 25万9800円 800W 17.5km 20km/h 10段階 1.8kg Hypershell X Ultra 32万9800円 1000W 30km 20km/h 12段階 1.8kg

 そうして見ると、Hypershell X Proは性能と価格の両面でバランスがとれており、シリーズの中心に置かれたモデルだといえます。

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 装着で重要なのはフィッティング、位置合わせです。まず自分の体形に合わせるべく、専用スマホアプリに自分の身体情報を入力します。推奨値が出たら腰フレームのロックを外し、チューブを推奨値に合わせて調整、腰ベルト/フレームを腰骨の上端に持ってきて固定します。腰ベルトバックルをへその位置に合わせるのもポイントです。

へその後ろ、お尻の上に固定する

 モーターと腰骨の隙間は約1cmが適切です。腰部分を装着したまま微調整して、腰フレームをロックします。

 脚側の調整も行います。太ももベルトの下端がひざ上約3cm(大人の指2本分くらい)の位置に来るように、スライダーのロックを外して調整します。後脚ストラップがひざ裏に食い込まない位置にしていきます。

膝上、太もも部分でも固定する

 電源を入れるとデフォルトはエコモード(低アシスト)となり、制御ボタンを1回押すと透明モード(アシスト量ゼロ)と前のモードを行き来します。2秒長押しでエコモードとハイパーモード(高アシスト)を切り替え、2回押しでパワーレベルを25%上げ、3回押しで25%下げます。

制御スイッチの場所は分かりやすい。直感的に操作できるところも評価したい

 右側モーターのステータスLEDは、透明モードでは青、エコモードでは緑、ハイパーモードでは赤、フィットネスモードでは黄で状態を示します。

 アプリ側ではもう少し細かい調整ができます。モードの直接切り替えに加え、パワーレベルバーで強度を調整できる他、アシスト応答速度、急斜面下行制御(HDC)、低速安定制御(LSSC)、左右のトルク分配なども設定できます。

 歩いているときの状況に応じて、アクティブモーションを自動で切り替えられます。さらに上り坂、下り坂といったようにアクティブモーションを固定することも可能です。同じ状況が長い距離続くシチュエーションのときに活用すると楽になります。

動作適応認識のスイッチをONにすると、動きに合わせて適切なアクティブモーションが選ばれる
アシストは速すぎても遅すぎてもダメ。適切な動きにするための微調整が重要

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