KAT-TUN、涙と笑顔のラストライブが拓いた旅路「未来でまた、交われたら」ファンと共に宝箱にしまった一夜
3月31日に解散したKAT-TUNが一夜限りの復活を遂げたラストライブ「Break the KAT-TUN」。11月8日、ZOZOマリンスタジアムに3万人が詰めかけた。ステージに立つ亀梨和也、上田竜也、中丸雄一に加え、脱退した赤西仁、田口淳之介、田中聖の姿や声も過去映像で登場した他、随所に“6人”を感じた演出が満載だった。KAT-TUNの全シングル曲プラス、ジュニア時代からの人気曲を完全網羅した51曲を熱唱、解散後にライブを決行するという伝説をまた一つ作った彼らのラストライブは3時間弱に及んだ。
モニターには“6人”でパフォーマンスする姿
オープニングは現在から過去へと遡るライブ映像が、当時の熱、あの日の感情が鮮やかに蘇る。「ハルカナ約束」で3人が登場した瞬間から会場の熱気は爆発し、「GOLD」「WILDS OF MY HEART」「青天の霹靂」「SHE SAID…」とジュニア時代からの人気曲で畳みかける。
中丸に「騒がねぇなら命はねぇからな」とあおられ、亀梨の得意技“舌出し”からの“サングラス外し”にやられ、上田の「ルシエーーーール」の雄たけびで始まる「Le ciel」で、ハイフン(KAT-TUNのファンの呼称)のボルテージは最高潮に。「DRIVE ME DRIVE ON」「FIGHT ALL NIGHT」「Red Sun」と怒涛の懐かしメドレーが続いていく。
ちょっとしたしぐさ、振り付け、あおり方、ハイフンに歌わせるタイミングなどなど…当時がフラッシュバックする瞬間の連続で行きつく暇もない。そんな中、モニターに「2006/3/22」のデビュー日が浮かび上がると、ステージには脱退したメンバーも含む6色のスポットライト。当然、歌うのは「Real Face」だ。 モニターには6人でパフォーマンスする姿が映し出され、ステージでは亀梨、上田、中丸がそれぞれ噴出するスモークに背中を預けたり、手をかざしたり、まるで相方がそこにいるかのように当時を再現した。 そこからは「SIGNAL」「RESCUE」「Going!」「In Fact」などシングル曲を存分に披露し、MCへ突入。 MCではのっけから「実は僕ら解散してます!」と中丸が口火を切り、「解散した後のグループのMCって何話せばいいの?」と早くも迷走…かんだりモゴモゴしたりかみ合わない中丸との会話に心配になった亀梨が、上田に「中丸のこと頼むぞ」とお願いするも「無理だよ!」(上田)と即却下。さらに思い出話を語ろうとするも、一番の思い出を聞かれた中丸が「東京ドームでバンジージャンプをやらされたこと!」と言うと、上田がすかさず「俺がお前の代わりに飛ばされた」「俺も飛んだ!」(亀梨)と矛先は再び中丸へ。また、「ジュニア時代グアムに行ったときホテルの部屋で撮ったヤベービデオある」(亀梨)と門外不出の映像があることを告白したり、「今後、テレビ局で会ったときのリアクションを決めておこう」(中丸)と妙な提案をしてみたり…KAT-TUNらしい迷走トークとなった。
声を震わせながら最後のメッセージ
MC明けは2001年の結成当時からKAT-TUNの歴史が詰まった映像から始まり、3人が再登場すると「CRYSTAL MOMENT」では美しいハーモニーを響かせ、「TRAGEDY」ではトロッコでファンサービス、「Keep the faith」ではクレーンで2階、3階席近くまで行き手を振る。そして、オープニングから2時間近くたったころ、ライブのラストで何度も歌われてきた「PRECIUS ONE」のイントロが流れ始めると、終わりを予感したハイフンたちの切ない空気が会場を包んだ。「ハルカナ約束」でアンコールを締めると、熱気冷めやらぬ中、最後のあいさつへ。
上田「始まる前までは、この日が来なきゃいいなという気持ちと、早くまたKAT-TUNとしてステージに立ちたい気持ちと両方合わさっていたけど、いざライブをやってこの景色を見ると、本当にすごい幸せでした。『After Life』(2023年)という舞台をしたときに、死後の世界に持っていく思い出を1つ選ぶという内容で、取材でよく『どの思い出を持っていくか?』と聞かれて『KAT-TUNのライブですね、どのライブのシーンか分からないけど』って答えていたけど、おそらく、このライブのこの後のシーンになると今、確信しています。10代のころから、すてきな人生を歩ませてくれて、本当にありがとうございました」と声を震わせながら締めくくった。
中丸「常日頃から思っていることですが、僕は本当に人に恵まれていて。皆さんの温かさの中で4半世紀を楽しく過ごしてきたんだと思いました」と言ったところで急に込み上げてきたのか、ぐっぐっと言葉が出なくなる。「(この涙は)悲しいってことじゃなくて、表に立つものとしては皆さんの悲しい思いをさせることは避けなくてはいけないという信念を持ってKAT-TUNをやってきたんですけど…すいません、感情がぐちゃぐちゃになって申し訳ないですけど、最後までこうやって花道みたいなものを設けられたことはこれ以上にないありがたいことだと。とはいっても、こんな楽しい時間が終わってしまうのは悲しいなって気持ちが混ざってしまいました。未来はどうなるか分からないけれど、どっかで交わったりとか…できたらなと。KAT-TUNを支えていただきありがとうございました」と頭を下げた。
亀梨「えー…終わります。10代で結成して、とにかくKAT-TUNが青春だったし、最初から最後までKAT-TUNが大切だったし、KAT-TUNというグループが自分を支えるプライドであり、美学であり、心でした。まだまだ何もないころからたくさんライブを重ねて、やるたびに多くの人たちと想像もできないくらいの景色を見させてもらって、これからはこれまで歩んで作ってきたものをしっかり心の宝箱にしまって、ふとしたときにそれぞれがぬくもりを与えてほしいな、キラリと輝く存在であってほしいなと思います。あー、終わりだ…。この形が最高の未来になるよう、メンバーみんなが最高の形だったと思えるように、それぞれの一歩を踏み出そうと思います。想像もできないような景色を作って、共有して、また何かの青春ができたらいいなと思っています」とゆっくり言葉を紡ぎながら、言い終えた。
3人の「WE ARE KAT-TUN!」の声とともに盛大な花火が打ち上がり、ラスト曲「Real Face2」はうるんだ瞳のまま歌い上げた。シャンパンを飲んだり、グラスで乾杯したり、もうハチャメチャ。最後はド派手な色とりどりの花火…そして曲が終わると同時にセットが崩壊。3人がスモークの中へと消えた後だった。
ずっと彼らは「俺たちについてこい」と前を走っていた。ハイフンを引っ張っていてくれた。「青春だった」と彼らは言った。それはハイフンも同じだろう。2001年のグループ結成から24年、メンバーとハイフンが作ってきた時間。長い青春を味わわせてくれた。それを宝箱にしまえるように、このライブを作ってくれた。そんな彼らの思いが痛いほど伝わってきた。 誰もいなくなったステージに終焉を告げる鐘が鳴った。それは新たな旅への出航の合図。-
KAT-TUN
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亀梨和也
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上田竜也
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中丸雄一
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赤西仁
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田口淳之介
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田中聖
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