高市内閣が始動、経済政策の最終責任は「政府」 日銀との連携重要
[東京 22日 ロイター] - 高市早苗新内閣が21日夜に発足した。就任会見で高市首相は、金融政策を含む経済政策の最終的な責任は「政府が持つ」との考えを改めて示し、政府と日銀が十分に連携して意思疎通を図っていくことが重要と指摘した。外交面では、トランプ米大統領の来日が実現すれば日本の防衛力を充実させることを伝える意向を示した。
高市首相は「マクロ経済政策の最終的な責任は政府が持つものだと考えており、金融政策は経済政策の一環をなす」と従来からの見解を強調。その上で「金融政策の手法は日銀に委ねられるもの」と述べ、賃金の上昇を伴う形で2%の物価安定目標が持続的・安定的に実現するよう適切な政策運営を期待したいと語った。
2013年1月に政府と日銀が発表した共同声明(アコード)は「今の段階で直ちに見直すことは考えていない」とした。
外交安全保障政策では、日米同盟が基軸にあるとの考えの下、トランプ大統領と早期に面会して両国関係をさらなる高みに引き上げると説明。首脳会談を行う場合は「日本自体の防衛力を充実させていくこと伝える」意向を示した。「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の戦略の重要性も訴えていきたいという。
防衛力に関連しては、日本に取り組みが足りない部分があると指摘し、22年12月に策定した「防衛3文書」の見直し作業に取りかかる指示を出す考えを示した。
10月22日、高市早苗新内閣が前日夜に発足した。就任会見で高市首相は、金融政策を含む経済政策の最終的な責任は「政府が持つ」との考えを改めて示し、政府と日銀が十分に連携して意思疎通を図っていくことが重要と指摘した(2025年 ロイター/Eugene Hoshiko)
会見の冒頭では、あすの初閣議で経済対策の策定を指示すると表明した。ガソリン税の暫定税率の廃止や、いわゆる「年収103万円の壁」の引き上げなど家計負担を減らす物価高対策を急ぐ考えを示した。米国の関税による影響緩和にも万全を期していくと述べた。
経済対策を最優先するとし、衆参両院で少数与党という状況を打開するための早期の衆議院解散についての質問には「今、解散どうのこうのと言っている暇はない」と否定的な見方を示した。
高市首相は21日午後、衆参両院本会議の首相指名選挙で第104代首相に選出され、皇居で親任式と閣僚認証式を経て同日夜に内閣を発足させた。
閣僚18人のうち新入閣は10人、女性閣僚は片山氏と小野田紀美経済安全保障担当相の2人にとどまった。高市首相は「全員参加、全世代結集の考えで組閣を行った。適材適所の布陣とした」と説明した。
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