BRICS、トランプ氏の関税警告に抵抗 「反米的ではない」と反論

トランプ米大統領が新興国グループ「BRICS」の「反米政策」に同調する国に10%の追加関税を課すと表明したことに対し、BRICS諸国から7日、反論が相次いだ。写真は7日、リオデジャネイロで開かれているBRICS首脳会議(2025年 ロイター/Ricardo Moraes)

[リオデジャネイロ 7日 ロイター] - トランプ米大統領が新興国グループ「BRICS」の「反米政策」に同調する国に10%の追加関税を課すと表明したことに対し、BRICS諸国から7日、反論が相次いだ。ブラジルのルラ大統領は、世界に皇帝は必要ないと述べた。

BRICSはリオデジャネイロで開いた首脳会議で6日、首脳宣言を採択。貿易に関しては関税引き上げが世界貿易を脅かすと警告し、トランプ米政権の関税政策を暗に批判していた。
トランプ氏は6日、自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に「BRICSの反米政策に同調する国には10%の追加関税を課す。例外はない」と投稿した。

ルラ大統領は首脳会議閉幕に当たり、記者団からトランプ氏の警告について問われたのに対し、「世界は変わった。われわれは皇帝を望んでいない」と発言。「(BRICSは)経済の観点から世界をまとめる別の方法を見いだしたいと考える国々の集まりだ」とし、「だからこそ、BRICSは人々を不快にさせているのだろう」と述べた。

トランプ氏は2月にも、BRICSが世界貿易におけるドルの役割を損なおうとすれば100%の関税を課すと警告していた。

ルラ氏はこの日、世界貿易にはドルに代わる通貨が必要との考えを改めて示した。記者団に対し「世界は貿易関係がドルを介さずに済む方法を見つける必要がある」と述べた。

南アフリカのラマポーザ大統領はBRICSが他のいかなる勢力とも競争するつもりはないと強調した。

中国外務省の毛寧報道官は 「関税を強制や圧力の道具として使うべきではない」とし、 BRICSは「 ウィンウィン(相互利益) の協力」を提唱しており、「いかなる国も標的にしていない」と述べた。

ロシア大統領府(クレムリン)報道官は、ロシアとBRICS諸国との協力は「共通の世界観」に基づいていると表明した。

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