<1分で解説>自衛隊練習機、ため池墜落 離陸直後にレーダーから消えた
14日午後、衝撃的なニュースが飛び込んできました。航空自衛隊の練習機1機が、愛知県犬山市のため池に墜落したのです。事故が起こるまでの機体や現場で何が起きていたのでしょうか。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「空自機墜落事故」を解説します。
Q 航空自衛隊の練習機が墜落したって聞いたよ。
A 14日午後3時過ぎ、宮崎県の航空自衛隊新田原(にゅうたばる)基地所属のT4練習機1機が、愛知県の県営名古屋空港を離陸直後に、レーダーから消えました。
AdvertisementQ 練習機は見つかったのかな。
A 名古屋空港から北東に約13キロ離れた愛知県犬山市の入鹿(いるか)池に墜落し、機体の残骸などが発見されたました。
Q パイロットは大丈夫だったの。
A 搭乗していた空自隊員2人が行方不明になっています。防衛省は捜索活動を行うとともに、事故調査委員会を設置しました。T4練習機の飛行を当面見合わせています。
Q 墜落の様子は目撃されたのかな。
A 愛知県警などによると、14日午後3時過ぎ、「戦闘機のようなものが(入鹿沼に)墜落した」と、釣り人から110番通報がありました。その後、水面に油が浮かんでいるのが確認されました。
Q 入鹿池って、ため池なんだっけ。
A そうです、農業用のため池です。墜落現場付近では機体の一部や救命装備品、ヘルメット、帽子などが発見されました。
防衛省は機体の残骸などが発見されたことや、水面に油が浮遊していることなどから「墜落したものと推定される」としています。
Q どんな人が乗っていたの。
A 搭乗していたのは1等空尉と2等空尉のいずれも男性です。飛行時間はそれぞれ約1170時間と約480時間でした。
Q T4練習機ってどんな飛行機かな。
T4は練習機として開発され、空自は197機を保有しています。空自パイロットの多くがT4で操縦技術を磨いてきました。
事故があった機体は1989年に製造され、フライトレコーダー(飛行記録装置)は搭載していません。関係者によると、脱出装置は備えているといいますが、使用した形跡は確認されていません。
T4の重大事故は過去に3件発生しており、いずれも訓練中の事故で計7人が死亡したといいます。