フェルスタッペン、レニーとの新体制に“やりやすさ”実感―その一方で3番手もなお課題視 / F1オーストリアGP《初日》2025
2025年F1第11戦オーストリアGPの2回目のフリー走行を終え、3番手タイムで初日を締めくくったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、暫定的な”新タッグ”に好感触を得た様子を見せた。
レッドブル・リンクでのイベント初日。レッドブルのガレージには、いつもとは少し異なる空気が漂っていた。そこには、2016年からフェルスタッペンとタッグを組み、4度のワールドタイトルを獲得してきた名参謀ジャンピエロ・ランビアーゼの姿はなかった。
個人的な理由による欠場は、チーム全体にとっても大きな打撃となった。ランビアーゼは単なるレースエンジニアではなく、現場全体を統括する「ヘッド・オブ・レーシング」として戦略の中枢を担う存在。彼の不在は、ドライバーとチームにとって異例の状況をもたらした。
そんな中、フェルスタッペンの新たなパートナーとして無線の向こう側に立ったのは、F1界の隠れた名匠サイモン・レニー。ダニエル・リカルド、マーク・ウェバー、アレックス・アルボン、さらにはルノー時代のフェルナンド・アロンソ、ロータス時代のキミ・ライコネンなど、数多くのトップドライバーを支えてきた実績を持つベテランが、再び現場の最前線に立った。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
レッドブル・レーシングのダニエル・リカルドとレースエンジニアを務めるサイモン・レニー、2018年F1アブダビGPにて
6月27日に行われた2回のフリー走行を経てフェルスタッペンは、新たなパートナーとの”仕事始め”を次のように振り返った。
「もちろん、(ランビアーゼとの)関係は特別なものだけど、今はこういう状況だからね」
「でも、今日はサイモンと上手く仕事ができたと思う。反対側のガレージにいたから、昔から彼のことはよく知っているし、シミュレーターでも一緒に取り組んだことがあるんだ。経験も豊富だし、実際今日は本当に良かった。彼は最初から上手く対応してくれたし、やりやすかったね」
慣れない体制の中でもスムーズにコミュニケーションが取れたことで、好感触を得たようだ。
3番手と上々の滑り出しも、課題を指摘
レニーとの新体制で臨んだ最初のセッションでは、ジョージ・ラッセル(メルセデス)に0.065秒差の2番手と好スタート。続くFP2でもランド・ノリス(マクラーレン)に0.318秒差で3番手に入り、パフォーマンス面ではおおむね順調な初日となった。
だが、頂点を知る男の基準は高い。
「大きな問題はなかったけど、少しペースが足りないのと、ショートランでもロングランでもアンダーステアが強すぎるね。そこは明日に向けて解決しないと」とフェルスタッペンは指摘した。
ランビアーゼ不在の中、レニーとの即席タッグで挑むホームグランプリ。果たしてこの“臨時体制”で、フェルスタッペンとレッドブルはどこまで競争力を発揮できるのか。王者の適応力とチームの底力が試される週末となる。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
プラクティスに向けてガレージに入るマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2025年6月27日(金) F1オーストリアGP(レッドブル・リンク)
2025年F1オーストリアGPの初日FP2をトップで締め括ったのはランド・ノリス(マクラーレン)。チームメイトのオスカー・ピアストリを2番手に退けた。3番手にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が続く結果となった。
FP3は日本時間6月28日(土)19時30分から、公式予選は同23時から1時間に渡ってレッドブル・リンクで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。