TikTok米事業継続で合意、売却期限12月に延期=トランプ氏
[ワシントン 16日 ロイター] - トランプ米大統領は16日、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米事業の継続で米中が合意したと発表した。事情に詳しい情報筋によると、合意は4月に議論された内容と類似しているという。
今回の合意により、TikTokの米国資産は親会社の中国企業、字節跳動(バイトダンス)から米国の所有者に移管されることになる。TikTokの米国のユーザー数は1億7000万人。
トランプ氏はホワイトハウスでの記者会見で「TikTokを巡る合意に至った。複数の大手企業が買収に関心を示している」と述べた。ただ詳細は明らかにしなかった。
同氏は今月17日となっていたTikTokの売却期限を12月16日まで延期する大統領令に署名。この延期により、バイトダンスはTikTokの米事業を米国側へ譲渡する合意を最終決定するまで、さらに90日間の猶予を得ることになる。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はこの米国法人の取締役会は米国人が過半数を占め、うち1人は米政府が指名すると報じた。
トランプ政権は日本製鉄によるUSスチール買収を6月に承認した際も、黄金株の保有や取締役1人の選任権を持つことで合意している。
TikTokを巡る合意は議会の承認が必要になる可能性がある。
関係筋によると、新たな合意の基本条件は4月に議論された内容と類似しており、バイトダンスが最大で19.9%の単独所有権を維持することなどが含まれる。80%を保有するコンソーシアム(企業連合)には、バイトダンスの現株主であるサスケハナ・インターナショナル・グループ(SIG)、ゼネラル・アトランティック、KKR< KKR.N>に加え、ベンチャーキャピタル(VC)大手アンドリーセン・ホロウィッツなどの新規投資家も含まれる。オラクル< ORCL.N>も株式を取得する可能性が高く、WSJはシルバーレイクも投資すると報じた。
大まかな条件は変わらないとみられるが、土壇場で変更される可能性もあるため、最終合意が具体的にどのような内容になるかは分からないと関係者は述べた。
ベセント米財務長官はCNBCに対し、合意の条件は実質的に3月ごろから決まっており、調整すべき細かい点がいくつか残るだけだと述べた。「米国の国家安全保障に対する適切なセーフガードなしに合意が成立することはない」とした上で、「中国の利益も満たすことができたようだ」と語った。
CNBCによると、合意は向こう30─45日以内に合意が成立する見通しで、バイトダンスの既存投資家と新規投資家が含まれる。また、オラクルはTikTokとのクラウド契約を維持する見込みという。
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