西郷真央「これが目標でした、と言えるように」 “王者のディナー”のメニューは?

◇米国女子◇ブラックデザート選手権 事前情報(29日)◇ブラックデザート・リゾートGC(ユタ州)◇6629yd(パー72)

メジャー初優勝を遂げ、18番ホール脇の池に歓喜のダイブを終えた西郷真央はその夜、会場で大会による“祝勝会”に参加した。キャディやマネジャーらと「シェブロン選手権」を制したチャンピオン専用のディナーを振る舞われ、和牛ステーキに舌鼓を打った。

「日曜日の夜は気持ちが高ぶって、すぐには眠れなかった。たくさんの方から応援メッセージをもらって、改めて自分がメジャーチャンピオンになったんだと実感しました」

眠りが浅いまま、翌朝には午前7時半の便でテキサス州ヒューストンを発ち、ネバダ州ラスベガスまで3時間のフライトの後、レンタカーをピックアップしてユタ州へ。今週の新規大会「ブラックデザート選手権」を前に、ビッグタイトルを手にしてもルーティンは変えない。習慣になっている月曜日のウエートトレーニングを難なくこなした。

開幕2日前のこの日は午前中に公式会見に出席。「ゴルフをやっていて、いろんなターニングポイントがあったと自分で思っている」とキャリアを振り返った。「日本では最後に8mのパットが入らなかったら、プロテストに合格できなかった。本当にいろんなことがあったんですけど、それが今の自分につながっている。その時々で、できることを全力でやってきたからこそ優勝できたのかなとは思っています」

シェブロン選手権で得たものはツアーやメジャーへの5年分の出場権だけでない。同大会には生涯を通じて出られるだけでなく、毎年大会前にはチャンピオンズディナーに出席。ディフェンディングチャンピオンとして臨む2026年大会は、男子の「マスターズ」さながら、ホステス役としてメニューを決める。「一応、自分の中ではこうしたいというのがある。やっぱり日本の良いところを見て欲しいですね」と笑顔を見せた。

会見後は初訪問のコースにさっそく飛び出し、アウト9ホールで練習ラウンド。その後イン9ホールは1Wとウェッジ、パターを手にチェックした。

西郷にはシーズンを通じた目標がある。ただし、公言はしないのがスタイルだ。「口に出すと実現するのが難しいと、自分の経験で思っている。あまり口に出さずに、自分の中で思い続けて実現できるように。実現できたら『これが目標でした』と後から言えるように頑張りたいです」。立場を大きく変えても、信念は変えない。(ユタ州アイビンス/桂川洋一)

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