EU、ロシア産ガス禁止でゼロ輸入枠検討-不可抗力で契約解除可能に

Ewa Krukowska

  • ロシア産ガス輸入を27年までに全面禁止する手段として検討-関係者
  • 企業がロシアの供給業者との長期購入契約を打ち切る法的根拠になる

欧州連合(EU)は、ロシア産天然ガスの輸入を2027年末までに全面禁止する手段として、輸入枠の枠組みを提案する見込みだ。企業が長期購入契約を打ち切る法的根拠になる。

  内部の協議を理由に事情に詳しい関係者が匿名で語ったところでは、EUの行政執行機関である欧州委員会は、ロシア産ガスのゼロ輸入枠導入を検討している。欧州の買い手は不可抗力条項を発動し、ロシアの供給業者との契約を解除できるようになる。

  EUは今月、ロシア産化石燃料の輸入を段階的に禁止する広範なロードマップを公表した。今回の計画案は、禁止措置の強制力と実効性を最も明確に示すシグナルとなる。関係者によると、輸入枠は全加盟国に直接適用し、制裁措置に匹敵する効果を見込む。

  ロシアはEUにとって既に最大の供給国ではないが、欧州の需要のなお約2割を占める。関係者によれば、輸入枠は6月半ばに提案する見通しで、実施には加盟各国政府の特定多数決による支持と欧州議会での過半数の支持が必要になる。

  欧州委で検討が続けられており、今後の変更もあり得る。同委は進行中の案件にはコメントしない方針だ。

原題:EU Likely to Propose Quota to Ban Russia Gas Imports by End 2027(抜粋)

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