ヘッジファンド運用資産、過去最高760兆円-相場の乱高下が追い風に
Liza Tetley、Nishant Kumar
- 7-9月の資金純流入額は約340億ドル-2007年以来の高水準
- 投資家が代替資産への投資拡大、ファンドの運用成績も堅調
世界のヘッジファンド業界の運用資産額が過去最高の5兆ドル(約760兆円)に達した。投資家が代替資産への投資を拡大し、ファンドの運用成績も堅調だったことが背景にある。
調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)が23日発表したデータによると、7-9月のヘッジファンドへの資金純流入額は約340億ドル。四半期ベースでは、世界金融危機が起きる前の2007年以来の高水準となった。
運用成績の改善も資産増加を後押しした。7-9月は主要戦略全体で平均リターンは5.4%となり、株式およびマクロ戦略のヘッジファンドが上昇を主導した。
今年は地政学的緊張やトランプ米大統領の一連の政策対応を背景に、市場が不安定な動きを見せている。こうした環境の下、投資家の間では相場変動の影響を受けにくい運用成果を志向する動きが強まり、それがヘッジファンドへの資金流入を促している。ヘッジファンド市場を支えているのは米国株の上昇に加え、トランプ関税をきっかけとした債券・為替市場のボラティリティー上昇だ。
HFRによると、7-9月も新規流入資金の大半は運用資産が50億ドルを超えるような大手ヘッジファンドに集中した。
暗号資産(仮想通貨)関連のヘッジファンドも7-9月に2桁台の堅調なリターンを記録。2025年初めの大幅な損失から持ち直し、年初来の運用成績はプラス6.7%となった。
HFRはヘッジファンド業界の成長要因として、M&A(合併・買収)の活発化、暗号資産への投資拡大、利下げ観測の広がり、人工知能(AI)関連投資の急拡大などを挙げている。
原題:Hedge Fund Assets Hit $5 Trillion With Most Inflows Since 2007(抜粋)
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