「グッチ」大幅減収、高級ブランド市場減速が直撃-デムナ氏試練の船出

Angelina Rascouet

  • デムナ氏がグッチの新アーティスティックディレクターに7月就任
Photographer: Yuki Iwamura/Bloomberg

フランスの高級品メーカー、ケリングの主力ブランド「グッチ」の売上高が4-6月(第2四半期)に急減した。ケリングはグッチの立て直しを図り、アーティスティックディレクターを過去3年間で2度交代させている。

  29日の発表文によると、グッチの4-6月期売上高は比較可能なベースで前年同期比25%減となり、アナリスト予想と一致した。ケリング全体の売上高も市場予想通りの15%減だった。

  グッチは高級ブランド市場の減速で特に大きな打撃を受けており、その影響はケリング全体に及んでいる。

  グッチの新たなアーティスティックディレクターには、ケリングのブランド「バレンシアガ」のデザイナーだったデムナ・ヴァザリア氏が起用された。7月に就任したばかりで、まだデビューコレクションを発表していない。前任のサバト・デ・サルノ氏はわずか約2年で降板となった。

  ケリングも、仏ルノーの再建を最高経営責任者(CEO)として主導したルカ・デメオ氏が9月中旬にCEOに就任し、新体制を始動させる予定。現在、CEOと会長を兼務している創業家一族のフランソワアンリ・ピノー氏は会長として残る。

  デメオ氏がケリングでも立て直しに成功するとの期待から、6月の就任発表以来、ケリング株は約25%上昇している。ただ年初来ではなお11%下げている。

  ケリングのジャンマルク・デュプレ副CEOは29日のアナリストとの電話会見で、デメオ氏は2026年に自身のビジョンをアナリストに示す可能性が高いと述べた。

  ケリングの1-6月(上期)の経常営業利益は前年同期比39%減の9億6900万ユーロ(約1660億円)となり、アナリスト予想(9億3490万ユーロ)を若干上回った。

  アルメル・プルー最高財務責任者(CFO)は、米国が欧州連合(EU)からの輸入品に課す15%関税について、同社は「十分に対処可能だ」と述べた。

  フランチェスカ・ベレッティーニ副CEOによると、デムナ氏は来年3月のミラノ・ファッションウィークでグッチとしての初コレクションを発表する予定。これに先立ち、9月のプレゼンテーションでビジョンの一端を公開する予定だとした。

原題:Gucci Sales Dive as Kering Label Faces Another Design Change (1)(抜粋)

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