インドでレイプ事件相次ぐ、厳罰化でも増加(AFP=時事)
21日にニューデリー中心部の公園で、17歳の少女が警察官を装った男3人に集団レイプされた。
この事件を受けニューデリーでは23日、数百人の学生らがデモを実施し、安全対策の強化を求めて行進した。
この事件は、2012年にニューデリーを走るバスの車内で23歳の女子学生が集団レイプされた上で路上に放置され、2週間後に搬送先の病院で亡くなった事件(ニルバヤー事件)を想起させる。当時、インド全土で大規模な抗議デモが起き、法改正による性暴力の厳罰化につながった。
だが人権活動家らによると、性犯罪の定義拡大やレイプ罪に対する厳罰化といった当時の法改正も、不十分だという。
女性の権利擁護活動家ヨギタ・バヤナ氏はAFPの取材に対し、「真の解決策である『意識改革』に取り組む者がいない」と指摘。
「夜遅くに出歩いている女性が悪いだとか、女性は身内の男性以外の男性と親しくしてはならないだとかいう考え方が依然として根強く残っている」「社会がいまだにこのような考え方に支配されているというのはとんでもないことだ」と語った。
最新の公式統計データによると、2024年のレイプ認知件数は1日平均80件で、法改正によって厳罰化される直前の2012年の1日平均68件から増加している。
人権活動家らは、男尊女卑の傾向が非常に強い社会では偏見や報復を恐れて被害届を出さない被害者が多いため、実際のレイプ件数は認知件数よりもはるかに多いと警告している。
ニューデリーで起きた21日の事件だけではない。16歳の少女がレイプされた後に殺害され遺体となって発見された事件や、バスの運転士と車掌が大雨の日に17歳の少女を車内に誘い込みレイプした事件などが相次いでいる。
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「世界のレイプ首都」とやゆされるニューデリーだけでなく、今月には東部ビハール州でも10代の少女がレイプされる動画がSNSに投稿されるなど、インド全土でレイプが後を絶たない。
2012年のニルバヤー事件の後、政府は挿入や同意に関する刑法上の定義を拡大した。
集団レイプ罪は20年以上の拘禁刑が科されるようになり、累犯者に対しては死刑が導入された。
だが弁護士や活動家らは、最大の課題は執行にあると口を揃える。
性暴力のサバイバーを代理してきた刑事弁護士のシルピ・ジェイン氏は、警察と裁判所には事件を徹底的に捜査・審理するリソースが不足しており、法律を執行できていないと説明。
「問題は法律ではなく、それを執行する人の側にある」「過重労働にあえぐ裁判官と警察官たちだ。一つの警察署が20万~30万人もの住民を担当しているのが現状だ。これでどうやってまともな捜査ができるというのか。悪循環に陥っている」と述べた。
インドにおけるレイプ事件で起訴された場合の有罪率は2012年以降、25%前後でほぼ横ばいに推移している。
公式データによると、2024年に起訴されたレイプ事件20万件以上のうち、判決が確定したのは10%未満にとどまっている。
ジェイン氏は、「レイプ事件の裁判は一般的に判決まで7~8年を要する。最高裁判所にまでもつれ込めば20年かかる。その結果、犯罪者は法への恐怖を、被害者は希望を失う」と語った。【翻訳編集】 AFPBB News