タイ戦闘機、カンボジア軍の拠点を攻撃-国境係争地での衝突激化

Patpicha Tanakasempipat

  • 相手側が先に攻撃と双方主張-少なくともタイ民間人1人が死亡
  • 国境付近での紛争、5月下旬から始まる-地雷爆発受け事態悪化

タイとカンボジアの係争中の国境地帯で24日、両国の部隊が複数箇所で衝突し、タイの戦闘機がカンボジア軍の拠点2カ所を攻撃した。緊張が高まる中、タイ国内ではすでに政治危機が深まっている。

  タイ政府によると、少なくともタイの民間人1人が死亡し、兵士7人が銃撃や砲撃で負傷した。軍事衝突はタイ北東部と接する係争地域の6カ所で確認されており、戦闘は現在も続いている。

  タイ側はカンボジア軍が先に発砲したと説明。タイ内務省は予防措置として国境沿いの少なくとも4県で住民の避難を命じた。プノンペンにあるタイ大使館は状況悪化を考慮し、自国民にカンボジアからの退避を勧告した。

  一方、カンボジア側はタイの説明に反論し、タイ軍が先に攻撃を仕掛けたと主張。カンボジアの国防省報道官は、重火器を用いてカンボジア領に侵攻したタイ軍の行動が国際法に「明確に違反する」と強く非難した。

  23日に地雷爆発でタイ兵5人が負傷。これを受け、タイがカンボジア大使を国外追放し、自国の大使をプノンペンから召還した。この数時間後に衝突が発生した。

  カンボジア国営メディアによると、報復措置としてカンボジアはタイとの外交関係を格下げし、外交官を撤退させ、タイにも同様の措置を求めた。

  国境付近での紛争は今年5月下旬に始まった。係争地域で銃撃戦が発生し、カンボジア兵1人が死亡。その後、両国は国境沿いに兵力を集中させ、重要な貿易ルートである陸路の通行も制限した。

原題:Thai, Cambodian Troops Clash in Deepening Border Conflict (2)(抜粋)

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