駒沢大学駅前商業施設「駒沢パーククォーター」を見てきた 11日開業
東急田園都市線 駒沢大学駅前に、新商業施設「KOMAZAWA Park Quarter(駒沢パーククォーター)」が11月11日にオープンする。運営会社のイマックスは開業に先駆け、内覧会を実施した。
所在地は東京都世田谷区上馬三丁目18-7。駒沢大学駅から徒歩1分の立地で、規模は地上4階・地下1階、延床面積6,418.75m2。イマックスが地権者の土地のため、再開発ではなく建替えプロジェクトとなる。
出店はカフェ、レストラン、ベーカリー、スーパー、クリニックなど17店舗で、世田谷区内のローカル店舗や1号店が含まれていることが特徴。
そのうちの1つである「#flowership」は、市場で残ってしまう「ロスフラワー」を入荷・販売するフラワーショップ。駒沢エリアの別の場所で出店していたが、パーククォーター開業とともに移転オープンする。
「手作り台湾肉包 鹿港」は上町(世田谷区世田谷)に店を構えるローカル店舗で、パーククォーターは初の支店となる。同店では上町とは異なる商品を提供する。
ナチュールワインとオーガニック料理の「R369」は、パーククォーターの店舗が1号店となる。料理のベースはフレンチで、本物を感じる料理をカジュアルに楽しめるとしている。
地下1階には多目的スタジオ「zawazawa」を設置。常設テナントだけではなく、シーズンや時代に合わせたものが現れるという取り組みを進める。
施設全体の特徴は、近隣にある駒沢公園へつながる緑の道をイメージした空間。駒沢大学駅周辺は首都高速道路や交通量の多い国道246号線、狭い歩道などが原因で「落ち着いて過ごせる場所が少ない」「商業施設が古く地域の回遊性が低い」という課題があった。こうした課題に対し、地域の人の自宅の延長ともなる「離れ」のような施設のあり方をデザインした建築計画とし、まちの回遊性向上を図る。
説明会においてイマックス 不動産開発室 室長 齋藤剛氏は「地域の方々にとって、渋谷や目黒、二子玉川に足を運ぶことなく、自分たちの暮らす駅前で消費活動ができる」と説明した。
また、駒沢公園では年間を通じて様々なイベントが実施されるが、最寄り駅の駒沢大学駅周辺には待ち合わせに使える場所が少なかった。駒沢パーククォーターが、来街者が待ち合わせ場所、あるいはイベント後の食事などに利用できるランドマークになることを目指す。
屋上にはまちを見渡せるテラスを設置。縦の動線はエレベーター、エスカレーター、階段が設置されており、このうち階段は建物の外側に設置されており、1階から屋上テラスまで、まちの景色を見ながら上れる。
「ドッグフレンドリー」も特徴に挙げており、地下を除く各階で、愛犬と一緒に過ごせるエリアを設け、飲食店によってはペット可のテラス席も設置される。
自然の循環を感じられる仕組みを取り入れ、ビオトープとコンポストを設置。都市の中で自然を身近に感じられ、また自然の恵みを循環させる、環境にも人にも優しい商業施設を目指す。
上記4店舗以外の出店店舗は以下の通り。
駒沢パーククォーターは、イマックスが推進する「駒沢こもれびプロジェクト」の一環で、同プロジェクトの中核施設となる。
こもれびプロジェクトは駒沢パーククォーターに、まちのWebメディア「今日の駒沢」の運営、コミュニティが育つ場づくりを加えた3つを軸としている。
「今日の駒沢」は、駒沢の「今」が見えるまちの回覧板のようなサイトを目指しており、小学生・中学生記者から、大学生記者、おとな記者まで、幅広い市民が活動している。2年間かけて育ててきたメディアで、より多くの人に知ってもらうため、フリーペーパーを配布する取り組みも開始した。
コミュニティが育つ場については、イベントやワークショップなどを実施してきており、プロジェクト参加者は2,000人を超える。また、住人が自分の得意なことやスキルを活かして、地域の人たちに教える「しみん先生」という活動も進めている。
イマックス 代表取締役社長 林大助氏によれば、駒沢パーククォーターの場所では、東京オリンピックが開催された1964年に、住宅公団(現・UR都市機構)により10階建ておよび5階建ての賃貸住宅ビルが建設された。これが老朽化により取り壊されることとなり、地権者であるイマックスが土地の有効利用を検討し、プロジェクトが進められた。
駒沢パーククォーターはプロジェクトの第1期で、第2期として隣接するマルエツ、さらにその隣のユニクロ、キャンドゥが入るビルの建替えも計画している。特にマルエツの建物は1979年竣工で耐震性の課題がある。
第2期の詳細について林氏は「詳細は未定だが、駒沢パーククォーターと一体化して、1つの商業エリアになるようなデザイニングを考えている」と説明した。