【伝承】スーパーも自販機もない…消滅寸前の集落で住民は“たったひとり” それでもそこで暮らし続ける理由

 限界集落と呼ばれて20年以上。京都府綾部市の山間に、住民がひとりの集落『古屋』があります。厳しい冬を乗り越え、消滅寸前の集落でいま、彼が望むこととは…。山の中での孤独な暮らしに密着しました。(読売テレビ 報道局:佐藤 清悟)※年齢は取材当時のものです

 ある冬の日、ほかに誰もいない集落で暮らす渡邉和重さん(74)は、大きなスコップを持って家の前の雪かきをしていました。(渡邉さん)「はぁ…休み休みしないと…」Q.こんなに雪が降るのは珍しい?

「いやいやまだ序の口ですね。多い時は2mぐらい積もるから…」

 渡邉さんは7年前に脳梗塞を患い、左半身を思うように動かすことができません。今は、週に3回ほど、ヘルパーが身の回りの世話をしています。コンビニもスーパーもないため、ヘルパーや宅配に頼らざるを得ません。(渡邉和重さん)

「毎週会うのが楽しみです」

 渡邉さんは2017年、当時90歳の母・ふじ子さんと二人暮らしでした。(渡邉さん)「ありがたいですよね。弁当を作ってもらって…親がいつまでも元気でいるというのは」

 集落にはあわせて4人いましたが2人が他界し、渡邉家だけになりました。そして2025年、99歳になった母を施設に預けたことで、渡邉さんは本当にひとりになってしまいました。

 渡邉さんによると、70年ほど前は集落に80人ぐらいが住んでいて、家も15軒ほどあったといい、今は統廃合でなくなった奥上林小学校に通う子どもも多かったということです。(渡邉さん)

「ここから2里8km、子どもの足でだいたい2時間半ですね。朝6時に起きて、6時半に家を出て、学校に着くころには9時。冬になると雪が多いから、1月~3月は(学校近くの)寄宿舎にみんなで泊まって、1週間交代で母親らがご飯を作っていた」

 渡邉さんの趣味は囲碁です。近くの人たちと会話しながら一局打つのが月に一度の楽しみです。(渡邉さん)「あ~またやられた。あ~また負けた」

「負けても楽しいですよ。雪の中で家に籠っているよりはいいです」

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