英仏など20カ国、ガザ即時戦闘終結要求 イスラエルは拒否
[ロンドン 21日 ロイター] - 英仏や日本などを含む25カ国は21日、パレスチナ自治区ガザの援助拠点近くで多数のパレスチナ人が殺害されたことを受け、ガザで即時に戦闘を終結するよう求めたほか、イスラエル政府による援助体制を批判した。
イタリア、オーストラリア、カナダ、デンマークを含む国々は、援助を求めた800人以上のパレスチナ人が殺害されたとした上で、食料援助の在り方のほか「民間人に対する非人道的な殺害が行われた」として非難。声明では「イスラエル政府の援助体制は危険で、不安定化を助長するほか、ガザの人々から人間としての尊厳を奪っている」とも強調した。
イスラエル外務省は共同声明について、「現実とかい離しており、イスラム組織ハマスに誤ったメッセージを送る」として拒否。「声明はハマスへの圧力に焦点を当てず、この状況に対するハマスの役割と責任を認識していない」と反発した。
イスラエルのサール外相はラミー英外相とガザを含む地域情勢について電話協議したと明らかにした上で、「住民の苦しみと戦争継続」の責任はハマスにあると主張した。
米国のハッカビー駐イスラエル大使は共同声明を「不快」と批判し、ハマスが戦争終結に向けたあらゆる提案を拒否しているためイスラエルを非難するのは「不合理」だと述べた。
多くの殺害行為は、米国とイスラエルが支援する「ガザ人道財団(GHF)」の援助拠点近くで発生。GHFは、ガザへの物資輸送に米国の民間警備会社や物流会社を利用している。国連はGHFの手法は安全ではなく、人道や公平性の基準に違反していると指摘するものの、GHF側は反論している。
一方、国連を含む他の援助団体が運営する人道支援について、イスラエルはイスラム組織ハマス主導の武装勢力が民間人向けの援助物資を略奪していると主張。ハマスはこれを否定している。
共同声明はイスラエルが必要不可欠な人道支援を認めていないとし、国際人道法に基づく義務を順守するよう要求。支援物資の流入を可能にし、人道支援団体や国連が安全かつ効果的に活動できるよう、直ちに制限を解除するよう求めた。
さらに、イスラエルとパレスチナの「即時停戦と、安全と平和への政治的道筋を支援するため、さらなる行動を取る用意がある」と表明した。
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