NY市場サマリー(18日)ドル堅調・ユーロ下落、利回り上昇 株続伸
<為替> 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が来年4月の仏大統領選前の退任を希望しているとの報道を受け、ユーロが下落した。ドルは、一連の米経済指標と米連邦準備理事会(FRB)が発表した1月会合の議事要旨を受け上昇。円は対ドルで軟調だった。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は関係筋の話として、マクロン仏大統領がECB総裁の後任選びに関与できるようにするため、ラガルドECB総裁は2027年10月に任期が満了する前に退任する意向を持っていると報じた。ただ、ECBはラガルド総裁は任期満了前の進退について何も決定していないとしている。 モルガン・スタンレーの外国為替・新興国市場戦略責任者ジェームズ・ロード氏は「次期ECB総裁人事を巡り多少の議論はあるものの、市場がそれほど大きく注目するテーマになるとは考えていない」とし、「外国為替市場では主に足元の経済指標や短期的な金融政策の見通しが注目されており、ラガルド氏に関するニュースで相場が大きく動くことはない」との見方を示した。
この日発表の米経済指標では、FRB発表の1月の鉱工業生産指数が前月比0.7%上昇。 商務省発表の2025年12月の耐久財受注は、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月比0.6%増と、エコノミスト予想(0.4%増)を上回った。 FRBが公表した1月27─28日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、政策金利の据え置きでおおむね見解が一致していたものの、今後の方向性については意見が分かれていたことが分かった。 CMEのフェドウォッチによると、FRBが6月の会合までに少なくとも0.25%ポイントの利下げを実施する確率は50%以下。 市場では、イランと米国との間の緊張の高まりなど、地政学的なリスクもなお注視されている。 終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.6%高の97.71。 ユーロ/ドルは0.57%安の1.1786ドル。 ドル/円は0.98%高の154.78円。 トランプ米大統領は17日、日本による5500億ドル規模の対米投資第1号となる3つのプロジェクトを発表。第1号案件にはオハイオ州の天然ガス発電所、テキサス州の原油輸出施設、ジョージア州の人工ダイヤモンド製造施設が選出された。
NY外為市場:
<債券> 国債利回りが上昇した。この日公表の堅調な経済指標を受け、連邦準備理事会(FRB)が向こう数カ月間は金利を据え置くとの見方が強まったことや、財務省が実施した20年債入札の需要が低調に終わったことが背景にある。 FRBが発表した1月の鉱工業生産指数は前月比0.7%上昇した。製造業の生産指数はロイターがまとめたエコノミスト予想を上回り、伸び率は2025年2月以来の大きさとなった。商務省が発表した25年12月の耐久財受注は、コア資本財の受注が前月比で、ロイターがまとめたエコノミスト予想を上回り、第4・四半期の企業の設備投資と経済成長が堅調だったことを示唆した。 雇用市場に弱さの兆候は見られるものの比較的堅調で、インフレも緩和していることから、市場ではFRBが今後数カ月間は金利を据え置くとの見方が大勢となっている。 ジャニー・モンゴメリー・スコット(フィラデルフィア)のチーフ債券ストラテジスト、ガイ・ルバス氏は「私は現在の雇用市場は脆弱だとみている」と指摘。脆弱とは壊れているという意味ではなく、リスクがあることを意味するとした上で、「何かが壊れれば粉々に崩壊する可能性がある」と述べた。
FRBがこの日公表した1月27─28日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、政策金利の据え置きでおおむね見解が一致していたものの、今後の方向性については意見が分かれていたことが分かった。 2年債利回りは2.3ベーシスポイント(bp)上昇の3.46%となった。 10年債利回りは2.7bp上昇の4.081%。前日は一時、昨年11月28日以来の低水準を付けた。 2年債と10年債の利回り格差はほぼ横ばいの62bpとなった。 財務省がこの日実施した160億ドルの20年債入札は需要が軟調。最高落札利回りは4.664%と、入札前の水準を約2bp上回った。応札倍率は2.36倍と、少なくとも23年4月以来最も低調な需要となった。入札実施後、利回りは一段と上向いた。 ミシュラー・ファイナンシャル・グループのマネージングディレクター、トム・ディ・ガロマ氏は「10年債(利回り)の4%近辺は売るのに良い水準」とし、利回りが下がり続けるには、FRB議長交代のような新たな材料が必要になるとの見方を示した。 財務省は19日、90億ドルの30年物物価連動国債(TIPS)の入札を実施する。
米金融・債券市場:
<株式> 続伸して取引を終えた。このところ人工知能(AI)を巡る懸念に圧迫されていたハイテク株が買われ、エヌビディアやアマゾン・ドット・コムなどが上昇した。
米国株式市場:
<金先物> 安値拾いや安全資産としての買いなどが入り、反発した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は、前日比103.60ドル(2.11%)高の1オンス=5009.50ドル。 この日は前日に約1週間ぶり安値を付けた反動から安値拾いの買いが入りやすく、終日プラス圏を堅調に推移した。
NY貴金属:
<米原油先物> ウクライナ和平を巡る協議に進展がない中、イラン情勢の緊迫化を背景に買い進まれ、急反発した。米国産標準油種WTIの中心限月3月物は前日清算値(終値に相当)比2.86ドル(4.59%)高の1バレル=65.19ドルだった。4月物は2.79ドル高の65.05ドル。
米ニュースサイト「アクシオス」は18日、トランプ米政権が核開発を巡り対立するイランとの大規模な戦争に近づいており、「間もなく始まる可能性がある」と報じた。CN Nも同日、イスラエルの関係者の話として、今後数日以内に米国とイスラエルが合同でイランを攻撃する可能性が高まる中で、警戒レベルを引き上げ、軍事攻撃の準備を強化しているとした。米国がイランを再攻撃すれば、イランが原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖に踏み切り、エネルギー供給が混乱するとの懸念が高まり、原油が急速に買われた。イランのファルス通信は18日、イランとロシアの海軍が19日にオマーン湾とインド 洋北部で合同演習を実施すると報道しており、地政学的リスクへの高まりが警戒される。
NYMEXエネルギー:
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