ETH、DOGE、BTCの急落で、暗号資産強気派に9億ドル相当の清算(CoinDesk JAPAN)
暗号資産(仮想通貨)市場は週明けに約9億ドル(約1330億円)の清算に見舞われ、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の両方の急激な調整を受けて、過剰なレバレッジをかけたロングポジションが一掃された。 ETHトレーダーが最も大きな打撃を受け、3億2000万ドル(約470億円)の清算を余儀なくされ、次いでビットコインが2億7700万ドル(約410億円)の清算となった。コイングラス(Coinglass)によると、ソラナ(SOL)、エックス・アール・ピー(XRP)、ドージコイン(DOGE)は合計でさらに9000万ドル(約133億円)が清算された。これらの清算は、S&P500の下落に追随してETHが4700ドルから4400ドルに下落し、BTCが11万200ドルに下落する中で発生した。 「この急激な動きは、特にETHの最近の急騰を受けた過剰なレバレッジポジションと、S&P500が一晩で下落したことによる広範なリスク資産への圧力の結果とみられる」とDerive.xyzはトレーダーノートで指摘した。 その後、ボラティリティは急上昇した。Derive.xyzのデータによると、BTCの日次ボラティリティは15%から38%に、ETHは41%から70%に急上昇。この差は、トレーダーが現在、ETHをより脆弱な投資先と見なしていることを示唆している。これは、ETHが上昇するとより大きなレバレッジを生み出すが、市場が反転すると同じポジションが迅速に解消され、両方向への急激な動きを引き起こすからだ。 オプション市場は防御的な姿勢に傾き、25デルタ・スキューは2つの主要資産の両方でマイナスに転じ、過去2週間で最もプットオプションへの選好が高まった。 このリセットにより、トレーダーたちは圧力にさらされる次のポイントとして、切りの良い水準に注目している。BTCが9月末までに10万ドルを再訪するオッズは、先週の20%から35%に上昇し、ETHが4000ドルを再び試す確率は現在55%と見られている。 この2つの主要資産間の乖離は、先物やボラティリティにも現れている。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のデータは、ETH先物取引における記録的なショートポジションを示しており、これはデジタル資産トークン化フローのヘッジや資金調達ベースの裁定取引に関連していると考えられる。 「パウエル(Powell)議長の発言後、BTCのインプライド・ボラティリティ(IV)は予想外に過去最低水準まで急落し、依然として上昇を続けるETHのIVとの大きな乖離につながった」とシグナルプラス(SignalPlus)のインサイト担当責任者、オーガスティン・ファン(Augustine Fan)氏はCoinDeskへのメッセージで述べた。 8月28日にGDPデータ、9月初旬に米国の失業率の発表が予定されていることから、トレーダーたちはさらなる変動に備えている。レバレッジは解消されたかもしれないが、この状況は、特にBTCよりもポジションが拡大して資金の流れが集中しているように見えるETHにとって、今後も不安定な状態が続く可能性を示唆している。 |翻訳・編集:廣瀬優香|画像:Shutterstock|原文:Ether, Dogecoin, Bitcoin Plunge Sees $900M in Bullish Bets Liquidated
CoinDesk Japan 編集部