AIによる雇用崩壊の証拠はないが、ある風潮が「連鎖リストラ」を引き起こすかもしれない…グーグルAGI専門家が警鐘(海外)(BUSINESS INSIDER JAPAN)
グーグル・ディープマインドのAGI経済学ディレクター、アレックス・イマス氏は、AIが原因とみられる大規模な雇用削減を示す証拠はほとんどないと述べた。ただし、彼は「AIパニック」が連鎖的なリストラを引き起こしかねないと警鐘を鳴らした。この発言は、「AIに適応している」とアピールするよう企業の経営幹部にプレッシャーがかかるなかで発せられたものだ。 アレックス・イマス(Alex Imas)氏は、AIが雇用喪失を引き起こしているという証拠をいまのところ確認していないという。 【全画像をみる】AIによる雇用崩壊の証拠はないが、ある風潮が「連鎖リストラ」を引き起こすかもしれない…グーグルAGI専門家が警鐘 グーグル・ディープマインド(Google DeepMind)で汎用人工知能(AGI)経済学ディレクターを務め、シカゴ大学経済学教授でもあるイマス氏は、ポッドキャスト番組「Dwarkesh Podcast」のインタビューで、ホワイトカラー(事務・専門職)の雇用が壊滅的な打撃を受けているという証拠を見たことがあるかと問われ、「ない」と答えた。 それでも彼は、ある仮説シナリオが現実になった場合は、FOMO(乗り遅れることへの恐怖)に駆られた「連鎖的な人員削減」を引き起こしかねないと警告した。 「仮に、リストラをしていない企業は『AIへの適応が不十分』と見なされる風潮が広がったとしよう」とイマス氏は言う。 「それは非常に危うい事態だ。実際には、人員削減を行う前よりも行ったあとのほうが業績が悪化するかもしれないのに、『我が社は時代に乗り遅れていない。AIを活用している』という印象を与えるためだけにリストラを断行する企業が出てくるからだ」 グーグル・ディープマインドの広報担当者は、イマス氏は個人の立場で同ポッドキャストに出演しており、彼が語ったシナリオはあくまで仮定の話だとあらためて強調した。 広報担当者によれば、イマス氏が伝えたかったのは「現時点のデータにおいてホワイトカラーの雇用崩壊を示す証拠はない」という点だという。さらに、グーグル・ディープマインドCEOのデミス・ハサビス(Demis Hassabis)氏がかつて、「AIが働く人々の生産性を高め、新たな雇用を生み出す可能性がある」と述べていたことも指摘した。 冒頭のイマス氏の発言は、あらゆる業界の経営幹部が、投資家や従業員に対して「自社はAIに対応している」ことを示すようプレッシャーを受けるなかで行われたものだ。 リストラを進める企業の中には、ツイッター(現X)共同創業者のジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏率いるモバイル決済企業ブロック(Block)や、写真・動画共有アプリ「スナップチャット(Snapchat)」を運営するスナップ(Snap)などのように、人員削減を発表した際にAIを理由に挙げる例もある。
Ben Shimkus