【投票企画】伝わるキャッチコピーはどれだ!? 第17回表現王選手権「ハロウィン」の魅力を端的に伝えろ!

ライターの表現力をためす企画「表現王選手権」。これは、毎回テーマに沿ったキャッチコピーを編集部メンバーに考えてもらうというもの。プロのライターなら、一般の人では考えつかないような、センスのある名文を生み出す……はず。

さて、今回は「ハロウィン」だ。毎年各地で催しものが開かれ、仮装やコスプレを楽しむ人も年々増えている。そのハロウィンについて、皆に考えてもらった。

今回もコピーの優劣は皆さんの投票で決まる! 投票、よろしくお願いします。また最後に次回のお題のコピー公募も記しているので、本稿末尾までお読み頂きたい!

・前回の答え合わせ

まずは前回「サンマ」の答え合わせだ。前回から少し間が開いてしまったため、どんな作品が投票に並んでいたかを忘れている人もいるかもしれない。そういう私(佐藤)も本稿を執筆するにあたって、投票状況を確認したわけだが……。

投票結果を確認して、「またしても!」と思わざるを得なかった。そう、またしても一般作品に我々編集部の面々は敗れたのである。あろうことか、この企画を主導する私の作品は惨憺たるものに……

結果は以下の通りである。それぞれの名前の後ろの星印は、これまでの1位の獲得回数を示している。

1位 「七輪と団扇で知らせる秋の音」 田舎から出てきて0年さん 2位 「食欲の秋、いぶし銀の立役者」 砂付近☆☆ 3位 「鈍色の秋味」 Seanさん 4位 「秋刀魚と米さえあれば俺は幸せ」 Yoshio 5位 「今年も飽きない、秋の香り」 イナバタクヤ 6位 「海に生ける日本刀」 古沢崇道☆☆☆☆ 7位 「庶民の魚から人気グルメに。これが本当の出世魚?」 御花畑マリコ☆ 8位 「塩、大根おろし、レモン、いただきます」 和才雄一郎☆ 9位 「トロける身に秋の匂い。最も旬という言葉が似合う魚」 中澤星児☆ 10位 「大人になる時……それはサンマのわたがウマいと感じるようになった時」 あひるねこ 11位 「秋の訪れを感じさせる、飽きのこない味 」 ぴょんたさん 12位 「見ろよ、大根おろしがハチマキ巻いてるぜ」 原田たかし☆☆ 13位 「家で焼くのに対策と覚悟がいる魚ナンバーワン」 GO羽鳥 14位 「目黒の名物っぽくなっているのは何故なのか?」 P.K.サンジュン☆☆☆ 15位 「クソかっこいい名前なのに庶民の味、秋刀魚」 砂子間正貫 16位 「裸足のサザエさんが追うドラ猫がくわえているのは……」 佐藤英典

以上の結果となった。前々回「運動会」でナルコさんが一般作品で1位の第1号になったのに続いて、今回は田舎から出てきて0年さんが第2号になりました。田舎から出てきて0年さん、おめでとうございます!

大変よろこばしいことではあるのだが、まさか2回連続で我々が敗北するとは……。しかも私はビリ! この企画を取り仕切る身として、まったく説得力がない! 当編集部で最年長、キャリアも1番長いはずなのに。不甲斐ない……、精進します……。

今回選ばせて頂いた3作品についても、簡単に解説したい。

田舎から出てきて0年さんの「七輪と団扇で知らせる秋の音」は景色の見える名文だ。縁側に七輪を置いて、焼け具合を見ながら団扇で仰ぐ、そのパタパタという音が容易に想像できる。立ちのぼる煙と共に、食欲をそそる香りまで脳裏に浮かぶ。お見事!

seanさんの「鈍色の秋味」はこれぞキャッチコピーと言える作品。字面も音感も良くて、サンマを売り込むポスターに毛筆で書いてあってもなじみそう。サンマをあらわす色はいろいろあるけど、あえて「鈍色」を選ぶところが心憎いです。

ぴょんたさんの「秋の訪れを感じさせる、飽きのこない味」は言葉遊びの上手さが光っている。「秋は来ている(訪れている)」のに、サンマの味は「飽きがこない(秋が来ない)」はこれいかに? かけ言葉になっているのだ。編集部イナバの「今年も飽きない、秋の香り」も同じくかけ言葉なのだが、私はぴょんたさんの方が1枚上手だと感じた。

さて、今回の「ハロウィン」はお題として難しかったかもしれない。魅力を伝えるにも、日本ではまだ馴染みが薄い上に、渋谷などでは規制が設けられる催しとなってしまっている。したがって、応募数はこれまでで1番少ないが、それでも優秀な作品をご応募頂いている。

・今回は「ハロウィン」

先に述べたように、東京・渋谷ではハロウィンが浸透し始めた頃に、路上飲酒やゴミのポイ捨てなど、さまさまな問題が発生し、昨年は渋谷はハロウィン中止が呼びかけられた。路面店では酒の販売を休止したり、飲食店の営業休止や営業時間の短縮などの対策もとられている。

引き続き今年も、渋谷区では雑踏対策を強化して、滞留抑制や路上飲酒・喫煙の禁止を呼びかける方針を打ち出している。ということで、キャッチコピーを考えづらいお題だったかもしれない。

コピーを考えるにあたって、それらマナーの問題を踏まえるのか、それとも切り離して考えるのかは、それぞれの判断に委ねられるところ。いずれにしても、端的にハロウィンそのものの魅力を伝えて欲しいというのが、この企画の主旨である。

編集部メンバー、ならびに応募して頂いた皆さんはどう考えたのだろうか? 今回は編集部メンバー12作 + 一般3作の計15作品を選出。その内容は以下の通り。

1.仮装よりお菓子がほしい食いしん坊

2.秋の終わりを告げる、から騒ぎ

3.「渋谷に行けなくなってから、企画に苦しむオッサンたち」

4.「可愛いおばけの祓い方」

5.「変態仮装行列からコスプレへ」

6.「クリスマスより好き」

7.「渋谷区長がこの世でもっともブチギレているもの」

8.「君の隣にいるかもね、にっこり顔のいたずらおばけ。」

9.「大人が一層バカになり、子供が一層かわいくなる日」

10.「多様な「うい」ている行事」

11.「21世紀の日本では、仮装をして街をぶち壊すまでがハロウィンとされた」

12.「沸かそう! 化かそう! 賑やかそう!」

13.「朧月夜に灯る南瓜」

14.「バケモノだろうと節度は守れ!」

15.「うちのお化けが1番カワイイ」

・そのほかの優秀な作品

そのほかにも良いと思うものが多数あったので、そのうちから3作品を紹介させて頂こう。なお、こちらに挙げる作品は投票の対象ではないので、その点、ご了承ください。

◆sachiさん「この日だけは何にでもなれる、ハロー新しい自分でウインク」

チャンスがあれば仮装をしてみたい。でも日常にそんなタイミングがないという人も多いと思う。ハロウィンは格好のチャンス。さて今年は何になろうかな? ワクワクしながら鏡を覗き込み、メイクの出来栄えに満足して片目をつむる。その様子が伺える可愛らしい作品。

◆Seanさん「ダイダイの夜とキャンディの月と。」

サンマの「鈍色の秋味」で3位に入ったSeanさんの作品。やはり色の使い方がお上手で、しかも橙色を「ダイダイ」と開くところに、言葉を吟味している様子が伺える。抽象画のような鮮やかな色彩の作品。

◆ほにゃららさん「世界が異世界にかわる一日」

たびたびご応募頂いている当企画の常連、ほにゃららさんの作品。ハロウィンは死者の魂が家族の元へ戻って来る日。日本でいうところの盆である。おどろおどろしい飾り付けは、まさに異世界のごとし。非日常を「異世界」と表現し、「世界」「異世界」と言葉を重ねることで、音にシャープな印象を与えている。強調する意味でダブルコーテーション「“”」で「“異”世界」と書くのも良いかも。

さあ、今回の投票結果はどうなるのだろうか? 次こそ編集部メンバーが勝たねば! 3連敗はマジでマズい! プロとしての沽券にかかわる。とにかく投票、よろしくお願いします!

次のテーマは「酉の市」で行きましょう。良いコピーが浮かんだという人は、ぜひ応募して頂きたい。たくさんのご応募、お待ちしてます! そして、先に挙げた16作品への投票もお忘れなく! よろしくお願いします。

執筆:佐藤英典 Photo・イラスト:Rocketnews24

▼ 次回お題「酉の市」のキャッチコピー応募フォーム

関連記事: