パラマウント株急騰、ミーム株時代を想起-空売り勢に踏み上げリスク

Felice Maranz

  • 2日間で2桁上昇率、ファンダメンタルズに基づかないとアナリスト

合併で新たに誕生した米メディア企業、パラマウント・スカイダンスの株価が13日までの2営業日で2桁の上昇率を記録した。2021年のミーム株ブームをほうふつとさせると、ウォール街のアナリストが指摘している。

  「1日で37%、2日間で48%も上がる株があって、しかもそれがファンダメンタルズに基づかないと考えられるなら、リサーチアナリストとして何か言えるだろうか?」と、エバコアISIのクトゥグン・マラル氏は顧客向けリポートで指摘した。

  こうした株価変動は、21年にパラマウントなど伝統的メディア株が長期にわたるショートスクイーズ(踏み上げ)で上昇した状況をマラル氏に思い出させた。株価はその後、急落し、その影響から回復できていないメディア株が多いという。

  パラマウント・グローバルとスカイダンス・メディアの合併で誕生した同社は先週上場したばかりで、最新の業績見通しを発表していない。マラル氏は今回の株価上昇に驚きを示しており、「バリュエーションはすでに割高に見える」と述べ、投資判断を「ホールド(中立)」としている。

  ウォール街の他のアナリストも同じ意見かもしれない。ブルームバーグの集計データによれば、同社株の目標株価の平均は12ドル。14日に同社株は4.1%下落し14.38ドルで終了しており、アナリスト予想は下落余地を示唆している。マラル氏を含む13人のアナリストが「ホールド」と評価しており、「買い」は3人、「売り」は9人。

  一方で、空売り投資家への圧力も高まっている。S3パートナーズのデータによると、パラマウント・スカイダンスの流通株式のうち約14%が空売りされている。

  株価急上昇で、ショートポジションを持つ投資家が損失拡大を避けるために買い戻しを迫られる「ショートスクイーズ」のリスクが高まっている。S3のイホル・ドゥサニウスキー氏は「この銘柄は相対的に空売りが混み合っているが、踏み上げが起こりやすい状況にある」と述べた。

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原題:Paramount’s Big Jump Evokes Meme-Stock Era as Squeeze Risk Soars(抜粋)

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