J2札幌 MF高嶺朋樹の2発で今季2度目の連勝…25メートル決勝弾に「気持ちが乗ったゴールだったかな」
◇明治安田J2リーグ 第21節 札幌3-2熊本(28日・大和ハウスプレミストドーム)
北海道コンサドーレ札幌がM高嶺朋樹主将(27)の劇的弾で、今季2度目の2連勝を飾った。ホーム・熊本戦は前半4分に先制されるも、後半11分に高嶺が決めて同点。5分後に失点を許したが、同42分に途中出場のFWマリオ・セルジオ(29)のJ初得点で再度追いつき、同49分、高嶺の25メートル決勝弾で3―2で勝利した。左利きの高嶺だが右サイドバック(SB)の高尾瑠(28)が右内転筋痛で欠場した穴を、初起用の右SBで埋め、後半戦の反撃ムードをつくる一勝につなげた。
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興奮は抑え切れなかった。2―2の後半アディショナルタイム、高嶺が左足を振り抜いた弾道は、相手に当たりながらゴールへと吸い込まれた。仲間にもみくちゃにされた後、サポーター席に向かって絶叫。「興奮しすぎて覚えてなくて」と苦笑しつつ、「後半戦に必ず巻き返したいと思って取り組んできた。気持ちが乗ったゴールだったかなと思う」と意地を形にした。
危機を救った。開幕から20戦中、19試合フル出場の不動の右SB高尾が25日の練習中、右内転筋を痛めた。岩政大樹監督(43)が選択したのは高嶺の右起用。「右の方がカットインしてのクロスや切り返しなど色んなことができそう」と熟考の末、決めた。
プロ初の右サイド起用だったが本職のボランチへのこだわりを捨て快諾。「中に入るタイミングと外を使い分けながら探り探りやっていた」としながら攻守に存在感を発揮。「高校の時に右サイドハーフとかやっていた経験が生きてるのかな」と笑ったが、岩政監督は「うまくやるのが彼の素晴らしさ」と絶賛。「あの位置の選択肢になった」と新オプション誕生を喜んだ。
「1年でのJ1復帰」へ、ベルギー1部・コルトレイクから3年ぶりに古巣へ復帰した。主将にも就いて戦う中、前半戦は13位ターンと苦しんだが後半戦は連勝発進。「絶対にJ1に行きたいので。キャプテンとして必ず達成したい」。改めて固めた決意を胸に、巻き返しへの道を突き進んでいく。
(砂田 秀人)
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日本での出場3戦目、マリオが豪快に初得点をたたき込んだ。1―2とされた後半42分、DF朴の左クロスを利き足の左ジャンピングボレーでネットを揺らした。チーム合流から18日目で生まれた一発に「ああいう形は1つの武器だし、周囲との連係が良くなっている証拠」と流れの中で決めたことに手応えを強調した。
絶対的なストライカーを求めたクラブが、今月獲得したブラジル人FW。11日の合流時はけがの影響で実戦から1か月離れていたことから本来のスピードと体の強さは発揮し切れていなかったが、日に日に状態は上昇。結果を出した。「スーパーマリオ」という母国での異名が定着しそうな活躍に「光栄なこと。もっと貢献して、もっと呼ばれるようにしたい」と右手親指を突き上げた。
◆J2札幌◇トップパートナー契約 札幌に本社を置く「株式会社グラフィックホールディングス」が28日、オフィシャルトップパートナーとして新規契約することに合意。ユニホーム左袖に社名が入った。山本壮一代表取締役(44)「試合時のVIPラウンジのサービス提供を皮切りにクラブに貢献したい」と話した。