大手ヘッジファンドに出資の好機、ゴールドマンが100万ドルから募集

Sridhar Natarajan、Katherine Burton、Hema Parmar、Nishant Kumar

  • ミレニアムは企業評価約140億ドルで10-15%の持ち分売却目指す
  • ピーターズヒル部門を活用し買い手層を富裕層個人に広げる方針

世界最大級のヘッジファンドへの持ち分が、最少100万ドル(約1億4800万円)から投資家向けに提供されている。

  米ゴールドマン・サックス・グループは、イジー・イングランダー氏率いるミレニアム・マネジメントへの出資持ち分を、100万ドルから最大2000万ドルまでの範囲で顧客に売り出している。同行の関係資料で明らかになった。

ミレニアムのイングランダー最高経営責任者(CEO)

  運用資産780億ドル超を抱えるミレニアムは約140億ドルの企業評価額で10-15%の持ち分を取得する投資家を募っている。上限の15%が売却された場合、20億ドルの資金調達となる。そのうち約半分はゴールドマンのピーターズヒル部門から、残りはミレニアム自体が政府系ファンド(SWF)などの大手機関投資家に打診する形となる。

  事情に詳しい複数の関係者によると、ゴールドマンは富裕層顧客に加え、ミレニアムの競合会社に勤務する人々を含め、幅広い層に出資を呼びかけている。協議は非公開で行われており、関係者は匿名を条件に語った。ミレニアムとゴールドマンはコメントを控えている。

  ピーターズヒルを活用した今回の動きは、潜在的な買い手層を機関投資家から富裕層個人に広げる試みとみられる。

  関係資料によると、ピーターズヒルは調達資金を特別目的会社(SPV)に投入する。出資者には1%の運用報酬と10%の成功報酬(キャリー)を徴収する。ミレニアムに直接出資する機関投資家には、こうした追加手数料は課されない。

  ミレニアムの安定的なリターン実績は、投資家を引きつける可能性がある。同社のヘッジファンドは1990年以降、損失を出したのは2008年の1度だけで3.5%のマイナスリターンだった。それ以外の年は、9年間を除いて10%以上のリターンを上げてきた。さらに、投資資金には5年間のロックアップ期間が設けられており、急な資金流出のリスクは限定されている。  

原題:Goldman Dangles Millennium Hedge Fund Stakes for $1 Million (2) (抜粋)

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