米テック企業に混乱、渡航自粛も-技術者就労ビザの高額手数料布告で
- 20日に米国に戻り今後の渡航を中止するよう影響を受ける社員に通知
- 既存のH-1Bビザ保有者や更新には影響しないとホワイトハウスは説明
トランプ米大統領が、高度な知識や技能を持つ外国人専門技術者の就労ビザ「H-1B」の申請に10万ドル(約1480万円)の手数料を課す布告に署名したことで、テック業界を中心に米企業に混乱が広がっている。
マイクロソフトとアルファベット、アマゾン・ドット・コムを含むテック大手は、影響を受ける社員に対し、20日に米国に戻り、今後の渡航計画を中止するよう通知した。大統領布告は21日に発効する。
ホワイトハウスは20日、新たな手数料について、新規のビザにのみ適用され、既存のH-1Bビザ保有者や更新には影響しないとX(旧ツイッター)に投稿。今年の抽選プロセスで当選し、10月1日からビザが有効になる申請者も新たな手数料の支払いは必要ないとした。
ホワイトハウスは「既存のビザ保有者の出入国に布告は影響しない」と説明したが、それでも適用・施行を巡る不確実性が戸惑いや不安を呼び、企業や移民弁護士は既存のビザ保有者にも注意を促した。
マイクロソフトは社員向けのガイダンス(指針)を更新し、ホワイトハウスの説明により「重要なライフイベントで渡航中の社員が米国に戻れると保証されるはずだ」としながらも、「今後数日は入国管理の現場で何らかの混乱が起きる」可能性は残ると警告した。
同社は新たなガイダンスに関するコメントを控えた。
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原題:Trump’s $100,000 H-1B Visa Change Sparks Chaos at Tech Firms (1)、New $100,000 H-1B Fee Only for New Applicants, White House Says(抜粋)
— 取材協力 Tom Giles, Katherine Doherty, Yizhu Wang, Francesca Maglione, Jaewon Kang and Josh Wingrove