マクラーレン、21年ぶり異例のダブルDNS「極めて不運な偶然」でノリス初の未出走/F1中国GP決勝

2026年F1第2戦中国GP。上海インターナショナル・サーキットのグリッドに並ぶはずだったオレンジ色の2台のマシンは、ついにスタートラインに姿を見せなかった。マクラーレンはメルセデス製パワーユニット(PU)に起きた別個の電気系統トラブルにより、2台揃って出走を断念した。

マクラーレンが決勝レースで2台ともスタートできなかったのは、ミシュラン勢がフォーメーションラップ後に撤退した2005年アメリカGP以来、21年ぶり。異例かつ屈辱的な事態となった。

予選ではオスカー・ピアストリが5番手、ランド・ノリスが6番手と3列目を独占。表彰台争いへの期待が高まっていたなか、名門を襲ったのは「極めて不運な偶然」という連鎖的なトラブルだった。

Courtesy Of McLaren

ヘイローに手をかけマシンに乗り込むランド・ノリス(マクラーレン)、2026年3月15日(日) F1中国GP決勝前(上海インターナショナル・サーキット)

悪夢の始まりはガレージでの準備段階にさかのぼる。チーム代表アンドレア・ステラによれば、ノリスのマシンはレース前ガレージでの始動チェックまでは正常だった。

だがコースに向かう直前、PUに電気系統の問題が発生。メルセデスのPU部門であるメルセデスAMG HPPのエンジニアとともに修復を試みたが、解決の糸口は見つからなかった。

ノリスは自身の状況について次のように語った。

「正直、あまり良く分かっていないから大したことは言えない。ただ、クルマを始動させることすらできない問題が起きたんだ。今も調査中だよ」

これによりノリスは、2019年のF1デビュー以来初めてグランプリ未出走(DNS)を記録することになった。

グリッド上で繰り返された悲劇、ピアストリの苦難

一方、ダミーグリッドに到着していたピアストリのマシンにも、出走直前になって別の電気系統トラブルが発生した。

グリッド上で修復不能と判断され、マシンはフォーメーションラップ前にクルーの手でガレージに押し戻された。現時点では、ノリスのものとは異なるPUの電気系統トラブルであること以外、詳細は明らかになっていない。

ピアストリにとって、この結果はあまりにも残酷だ。前週の開幕戦オーストラリアGPではレコノサンスラップ中にクラッシュ。今回の上海でもスタートを切れず、2026年シーズンが始まってから決勝レースをまだ1周も走れていない。

「まずはレースを見ながら学べることを学ぶ。それから日本GPまでの間にできるだけ多くの作業に取り組む」とピアストリは語る。

「今日の問題は確かに厄介だった。でもそれとは別に、僕らはまだパフォーマンスを改善する必要があることも分かっている。そこに集中していくつもりだ」

ステラは今回の事態を「別個の電気系トラブルが同時に発生した極めて不運な偶然」と表現した。

「我々はレースをするためにここに来た。だが今日はレースをする状態ではなかった。チーム、ドライバー、パートナー、そしてファンにとって、非常に苛立たしい失望の結果だ」

「土曜の予選から日曜の火入れまでの間にクルマに変更は加えていない。同時に発生した、互いに無関係なPUの電気系トラブルのように見える。HPPとともに徹底的な調査を行う」

カスタマーチームのマクラーレンがPU関連の電気系統トラブルで出走すらできなかった一方、ワークスのメルセデスはこの日のレースで1-2フィニッシュを飾った。

王座防衛に臨むシーズンで早々につまずいたノリスは、次のように語る。

「とにかく不運だしフラストレーションもある。でも今できることはない。二度と起きないよう問題を修正して、次のレースに集中するだけだ」

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