G7財務相・中銀総裁、中国の影響力を警戒し協調強化へ-独財務相

Kamil Kowalcze

  • 南アフリカで開催のG20に合わせ、G7会合が開かれた
  • ドイツのクリングバイル財務相、先制的な関与の必要性強調

主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会合は18日、中国の過剰生産能力が世界市場に及ぼす影響や、重要サプライチェーンのぜい弱性という強い懸念、中国のレアアース支配に、協調して対抗する取り組みを強化することで合意した。ドイツのクリングバイル財務相が明らかにした。

  「過剰生産能力への懸念など、けさのG7会合では中国に関する疑問が取り上げられた」とクリングバイル財務相は南アフリカ時間の18日、記者団に述べた。

  G7会合はダーバン近郊で開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に合わせて開かれた。クリングバイル財務相は「けさの会合には韓国とオーストラリアも出席し、原材料や希少鉱物にわれわれがいかに依存しているか、これがわれわれのサプライチェーンをいかにぜい弱にしているのか、集中的に議論した」と述べた。

  G7会合にはベッセント米財務長官がオンラインで参加したと、加藤勝信財務相が記者会見で明らかにした。

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  クリングバイル財務相は特に欧州の自動車産業で依存率が高いと指摘し、「G7が率先して、いかに廉価品に対して強力な措置を講じられるか検討していくことで、われわれは合意した」と述べた。

  G7が経済の体力強化を呼び掛ける背景で、グローバルサウス(新興・途上国)での影響力低下という戦略的な不安が広がっている。アフリカなどのこうした地域では、中国とロシアが提携を深めている。

  クリングバイル財務相は「G7がG20諸国での影響力を失いつつあり、中国やロシアがこうした諸国で提携関係を確立しているとの懸念がある」と指摘。中国とロシアの地政学的足場がこれ以上強まらないよう、先制的に関与していくことが緊急に必要とされていると強調した。

原題:G-7 Vows to Crack Down on China’s Economic Sway, Klingbeil Says(抜粋)

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